NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「-less [レス] 」(60点/スリラー)

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■■■「-less [レス] 」■■■
(60点/スリラー)

 ハリントン一家は、毎年の恒例行事としてクリスマスイブの夜をお婆ちゃんの家で一緒に過ごす為に、家族を乗せて車を走らせていた。

 しかし、父親がいつもは使わない裏道を利用しようとして山道に入ったところ、山中で子供を抱いたケガをした白い服の女性を見つけ、車に乗せる事となる。

 それが彼らにとって、想像を超えた恐怖の始まりとなるとも知らずに…



 一応、サスペンス映画なので最初に警告しますが…
 今回の感想は若干のネタバレ(致命的なバレではない)を含みます。
 したがって、全く前提知識無しでこの映画を観たい人は、読まない方が無難です。



 という訳で、ここから感想。

 パッケージからして、「ソウ(SAW)」を意識したデザインで、いかにも2番煎じっぽい印象を受けますが、系列的にはシックスセンス以降に流行となっている、『オチでビックリ』なタイプのサスペンス映画。

 何でも監督がデイヴィッド・リンチのファンだそうで、絵作りや演出にマルホランド・ドライブロスト・ハイウェイ等の影響を受けている部分が散見されます。
 まあ、流石に本家には遠く及びませんが…

 お話の方はサスペンスとは言いつつも、序盤の20分ぐらい過ぎた時点で余りにもホラーテイストの強い異常な現象が立て続けに起こり、もはや『後戻り出来ない領域』までお話が進んでしまうせいで、『こりゃ、絶対にマトモなオチは待ってないな』というのが、序盤から容易に想像出来てしまうのは残念なところ。

 もうちょっと、現実か否かの判断できないようなネタで、序盤を引っ張っても良かったのでは…

 どこまで走っても延々と終わりの無い道路何度も現れる『マーコット』と書かれた看板白いドレスを着た謎の女どのチャンネルを回しても悲鳴のような声しか聞こえない不気味なラジオ…等、怖がらせる為の演出は、なかなかに秀逸なんですが、謎解き要素としてはパンチ力は弱く結構な人が途中でオチの想像が付いてしまうと思います。

 車に乗って同じ道を延々と走っているという展開が続くので、中盤で少々中だるみはあるものの、家族の関係を題材としたサスペンス要素を絡める事で、退屈しない程度に間を持たせてるのは、なかなか上手い見せ方です。

 オチの見せ方や、ちょっとだけ謎を残した引っ張り方も悪くは無いですので、中途半端に「ソウ(SAW)」を意識したパッケージとかを使わずに、いっそホラー的なテイストを全面に押し出して、サスペンスホラーとして売り出せばもっと面白くなったかも?


 総評としましては、若干いま一歩感は拭えないものの、決して悪い出来ではないサスペンス映画です。
 謎解き部分に過剰な期待はせずに、最初から『怖い映画なんだ』という心積もりで観れば、結構普通に楽しむ事が出来る一本でしょう。

 ちょっとだけリンチ監督っぽいノリも入ってる(低予算故の安っぽさは拭えませんが)ので、そっち方面が好きならば、まあ観ておいても良いのでは無いでしょうか?