NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「0:34 レイジ34フン」(55点/スラッシャーホラー)

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■■■「0:34 レイジ34フン」■■■
(55点/スラッシャーホラー)

 パーティーの帰りに地下鉄のホームでうたた寝してしまったケイトは、地下鉄のホームへと閉じ込められそうになり、危うく滑り込んできた最終電車へと飛び乗る。

 しかし、彼女の乗った地下鉄は何も無い筈の場所で唐突に停止し、偶然に乗り合わせていた彼女の同僚は、暗闇から現れた何者かに闇の中へと連れ去られてしまう。

 深夜の地下鉄の構内の闇の中には、恐るべき怪物が潜んでいたのだ…


 イギリスでロングランヒットを記録したとされる、都市伝説風題材のスラッシャーホラー映画。

 題材的には「ハリウッド人肉通り」と同様のネタで、都会の地下の闇の中に潜む『何者か』の恐怖を描いた都市伝説風のモンスター映画。
 序盤はサスペンス風の展開を見せるんだけど、怪物が画面に登場しだした中盤からは途端にモンスターホラー風のテイストが強くなるという、ちょっとした2段構成風の展開となっています。

 どことなく、一昔前に流行したタイプのスラッシャーホラーを彷彿とさせるような、悪く言えば少々古臭い印象を受ける映画で、怪物に捕らわれたヒロインが閉鎖環境から脱出を図る…といったありがちなストーリー展開や、陰惨でゴア描写を描く事に注力した演出等、どことなく80年代のホラーを感じさせるようなシーンが多いです。

 しかし、怪物の造型や悪趣味さはなかなか悪くなく、特にまるで出口の無い迷路のような地下道を、怪物に追いかけられながらどこまでも逃げるシーンの連続は、全体的に陰惨なストーリー展開もあいまって非常に怖さを感じホラーとしての質は決して低くは無い作品です。

 ただ、ストーリーの方はあって無いも同然で、設定もツッコミどころが多く、微妙に中途ハンパな印象を受ける部分が多いのも事実。

 特に序盤で怪物が電車を走らせて移動するシーンがあるんだけど、あの怪物に電車を運転する技量があるとはどうしても思えないのですが、気になったのは俺だけ?

 全体的なテイストは悪くなく、色んな意味での及第点は満たしてるんだけど、物凄く良い点も無い代わりに、特に大きな悪い点も無いといった印象の映画なのですが、唯一の不満点はヒロインが自分では何も出来ないクセに人に命令ばっかりする、やたらと高飛車なムカつくキャラだという事。
 中盤以降は『別に、お前殺されてもいいよ』…とか思いながら観てたのは秘密です。

 総評としましては、全体的に全てが及第点といったレベルの『可も不可も無し』と言った感じの評価が一番相応しいようなホラー映画です。

 怪物のキャラクターや設定も悪くは無いし、テイストも嫌いでは無いんだけど、もう一歩『この映画ならでは!!』といった何か突き抜けた物が欲しかったかな?

 でも、ホラー好きならば見て損するような作品では無いですし、特に80年代風のスプラッタ全盛期時代の、ちょっと懐かしい感じのホラーが好きな人ならば結構楽しめる作品だと思うので、その手の映画が好きならばまあ観ておいても良いのではないでしょうか?