NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

スパイキッズ2 失われた夢の島 (70点:オススメ)

■■■「スパイキッズ2 失われた夢の島」■■■
(70点:オススメ)

 前作でカルメンとジュニの活躍の教訓から、スパイ組織であるOSSは子供達の諜報部隊であるスパイキッズ部門を新設していた。
 しかし、今年最高のスパイを表彰する式典の最中に彼らは何者かの襲撃を受け、あらゆる電子装置を無効化する秘密兵器『トランスムッカー』を何者かに奪われてしまう。
 事件の責任を負わされ、スパイの権限を剥奪されたジュニだったが、汚名を返上すべく姉のカルメンとともに秘密で『トランスムッカー』の奪還作戦を秘密裏に実行するのだった。


 ロバート・ロドリゲス監督が低予算で撮影し、大ヒットを飛ばして大儲けしたという、前作のスパイキッズの続編に当たる作品。
 今作は前作を更に上回る(というか下回る)超低予算で作られたらしいのですが、余り低予算さを感じさせない(といっても随所に金がかかってないなぁ…と思わせる部分も多いですが)のは、この監督の凄い所です。
 (まあ、低予算っていっても日本映画の予算とは桁が違うんだろうけど…)

 この映画の話を聞いたとき、『いつも趣味全開で映画を撮り続けているイロモノ監督であるロドリゲス監督が、2匹目のドジョウを狙った低予算ムービーを撮るなんて珍しい事もあるものだ』と思っていたのですが…

 いやはや映画本編を観て、その認識が間違いだと知りました。

 そうか、ロドリゲス監督は、実はこの映画で「アルゴ探検隊の冒険」(というかレイ・ハリーハウゼン)のパロディを撮りたかったのですな…。
 なんつーか、流石は趣味全開の監督ですな、安易に売れ線に走ったのでは無いことが分かって、逆に安心しましたよ。(笑)

 映画本編の方は、まあ相変わらずの家族向けムービーといった感じで、可も無く不可もなくといった感じではあるのですが、割と手探りっぽい感じで撮っており全体的にテンポの悪かった前作に比べると、話の見せ方なんかが格段に上手くなっており、ホントにエンターテイメントとして十分楽しめるレベルに仕上がっているのは、進歩したなぁと思います。
 主人公のカルメンとジュニの2人も、前作では『垢抜けない子供達だなぁ』といった感じだったのですが、今作では2人とも随分と可愛くなっているのも見逃せないポイントでしょう。

 加えて、ロドリゲス監督らしいB級趣味丸出しの悪趣味なモンスターデザイン(誉め言葉)や、頭の悪い演出(誉め言葉なんだってホント)なんかが非常に良い味を出しているのがファンには嬉しいところです。


 総評としましては、ごく普通のファミリー向け娯楽映画として十分に楽しめるだけの完成度を持った作品です。
 こういった子供が主役の映画に抵抗が無ければ、まあ観て置いて損は無い一本だと思います。
 特に家族で子供と一緒に観るなら、結構お薦めの一本です。

 ただ、前作を観て無いと若干分かりにくい部分もあるかもしれませんので、観る場合は前作を先に観ることをお薦めしますが、前作はイマイチなんだよなぁ。(笑)

 あと、ロバート・ロドリゲス監督のファンなら、間違いなく観て置いて損は無いかな?
 監督の趣味とB級テイスト丸出しなのが、非常に良い感じですヨ。