NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

案山子男 (30点:---)

■■■「案山子男」■■■
(30点:---)

 家庭の事情と、その暗い性格から周囲から苛められ続けていたレスターは、ある日母親の愛人(というか間男)と口論となり、トウモロコシ畑の案山子の下で間男に絞殺されてしまう。
 彼は案山子にロープで吊るされ自殺に見せかけられるが、彼の恨みの念はその案山子へと宿り、死後1年後に案山子男として復活し、自分を殺した間男や苛めたクラスメイト達に復讐を始めるのだった。


 とまあホラー映画としては割りとありがちな設定の、苛められっ子の復讐をモチーフとしたホラー映画。
 この手の苛められっ子物というと、普通は主人公が不条理な苛めを受けて、苛めっ子は復讐されてもしょうがないかも?というストーリー展開になるのが定石って物だけど、この映画の場合は、主人公がホントに気持ち悪い性格&キャラクター『そりゃ苛められてもしょうがないだろ』とか思ってしまい、全然主人公に感情移入出来ないのが困り者。

 ストーリーの方も、序盤の主人公が殺されるまでの苛められるシーンがやたらと延々と続き、展開が冗長でテンポが悪いのに対し、案山子男に転生した後半は、尺の不足を補うようにやたらとサクサクと苛めっ子を殺しまくるので、どうにもアッサリしすぎで面白味に欠ける。
 案山子男のキャラクターも、アクロバティック動きとか無駄に派手なオーバーアクト等でエルム街の悪夢のフレディを意識しているつもりなんだろうけど、キャラクターが何考えてるのがサッパリ分からない上に殺し方に面白味が無く、とにかくキャラに魅力が無い。
 だいたい、あんなネクラな性格の主人公が転生したんだったら、もっと陰湿な殺し方をしそうなもんだろうし、そもそも殺人シーンでマトモに怖がらせようという演出が全く無いのは何だかなぁ…
 オチも何が言いたいのが意味不明だし、もう何処を誉めたらいいのが良く分からないような映画でした。

 総評としては…何というか久々に『やってもうた』的なZ級のホラー映画。
 まあ、アルバトロス・コアの映画に最初から期待なんかしてないですが、それにしてもこれはちょっと酷いなぁ…
 エンディングで巨匠ダリオ・アルジェントに捧ぐとか書かれてたけど、こんな映画捧げられても困るだろう…
 とりあえず、かなり寛容なホラー映画ファンでも『どうだろう?』と感じるような作品ですので、普通の人は間違っても観ない方が良いです。