■■■「リベリオン -反逆者-」■■■
(75点:オススメ)
近未来、第三次世界大戦によって滅亡の淵に立たされ、『もし次の世界大戦が起これば世界が滅亡する』と気付いた人類は、全ての感情を薬物によって抑制し、唯一の総帥である「ファーザー」の元で支配されていた。
また感情の発露に関わる「芸術」や「音楽」や「娯楽」といったあらゆるメディアを全て厳しく規制し、これに違反した者は政府の処刑人である「クラリック(聖職者)」によって処刑されるという、徹底した管理体制が敷かれていた。
といった感じの、近未来世界を扱ったSF作品。
SFジャンルとしては『メディアの抑圧された未来世界』というなんともありがちな設定に加えて、主人公はこの世界のクラリックと呼ばれる処刑人なんだけど、ある事件を契機に感情を取り戻し反逆者となっていく…
とまあ、これも使い古された展開でストーリー的には、ツマんなくは無いもののなんともベタベタな内容。
またジャケットを見れば分かるように、いわゆる「MATRIX」の亜流映画のひとつで、特に美術デザインやアクションシーンに、その影響が顕著に見られる…というホントにありがちなB級SFアクション映画。
なんだけど、これが単なるツマんない映画かと言われるとそうでもなくて……
この映画を只の駄作にしていないのが、映画の中でクラリックが使う「ガン=カタ(銃の型)」と呼ばれる、銃を使った格闘技。
格闘技と銃撃を組み合わせて作られたという「最強の格闘技」で、『敵の攻撃を予測して、最も被攻撃率の少ない構え(型)を取りつつ敵を効果的に撃破する』といった格闘技術なんだけど、カンフーのような身のこなしで敵の攻撃を交わしながら、次々と敵を倒していく様は、まさに「最強の格闘技」の名に恥じないカッコ良さ!!
もうハッキリ言って『男ならコレを観れ!!』って感じで、本当に「ガン=カタ」のシーンの為だけに見る価値の有る映画です。
ただ最初にも述べたようにストーリーに関しては相当ありがちで、他に序盤の展開のテンポの悪さも今ひとつな感じ…
あと、感情を抑制した世界って設定の筈なのに、途中で登場する主人公のライバルの黒人のクラリックなんか『感情剥き出しやん』とツッコミたくなる等、微妙にツッコミどころも多いです。
まあ、その辺はB級映画にはありがちな事なので許すとしても、惜しむらくは見せ場である「ガン=カタ」のシーンが意外にボリュームが少ない事。
どうせこういう映画を作るなら、もっと頭悪い内容でも良いので「デスペラード」みたいに無駄にガンガン銃を撃ちまくって欲しかったところだなぁ。
と、妙に批判的なレビューになってしまいましたが、それだけアクションシーンが良く出来ているだけに、逆にその辺が非常に惜しい映画だと言う事です。
総評としましては、基本的にアクション映画が好きなら観ておいて損は無い映画だとは思います。
特にガンアクションに関してはホントに良く出来ているので、そっち方面が好きな人なら必見の一本でしょう。
ただしストーリーに関しては、かなりどうでも良いような話なので、ストーリーに重きを置く人にはイマイチかも?
個人的には、最後の敵のボスとの対決シーンはシビれました。
特に「TRIGUN」とかみたいなガンアクションアニメとかが好きな人は、是非とも観ておくべき作品ですよ。