(25点:地雷)
アメリカ西海岸から太平洋を横断する通信ケーブルの試験運転中に、海底のケーブルの謎の断線事故が続発する。
そんな折、メキシコの地元の沿岸警備員のベンは、海底に潜った際に偶然にもケーブルの断線現場で謎のサメの歯を発見。
そのサメの歯は、驚くべき事に数百万年前に絶滅したとされる20mにもなる巨大ザメ「メガロドン」のものだった。
原因を調査する彼は、深海で生き延びていたメガロドンが海底ケーブルの電磁波に引き寄せられて浮上してきた物だと気付き、なんとか海底ケーブル計画の本運用を中断するよう進言するが…
といった感じの、巨大生物パニックホラー映画。
「ディープライジング」と言うと、本邦では「ザ・グリード」の原題である「Deep Rising」、もしくは「Shark Attack 2」の邦題である「ディープライジング」の2タイトルが思いつくけど、コレは後者の続編に当たる作品で、原題は「Shark Attack 3 MEGALODON」。
「Shark Attack」シリーズと言えば、『生物実験によるホルモン剤の投与によって凶暴化したサメの群れが人を襲う』といった設定のシリーズだった訳ですが、この新作ではその設定を受け継いで居る訳でも無く全く別の話になっています。
1~2作目はサスペンスと生物パニックという要素を、なかなか上手く組み合わせ映画だったのですが、今作は設定も全く別物だし、そもそも「Shark Attack」シリーズが、大して人気があった訳でも無い上に、邦題では「コンクエスト」(征服)とかって意味不明のサブタイが付いてて、もはや何の映画なのか謎な感じです。
敢えてシリーズの共通点を探すとすれば、実写のサメの映像とマペットのサメの映像を上手く組み合わせてサメの襲撃シーンを撮っている、という事ぐらいかのぅ?
とは言いつつもメガロドンが出てくる映画と言う事で、見る側としては巨大ザメが大暴れする生物パニック物と言う内容を期待してしまう訳ですが…
登場するのは『メガロドンの子供』という設定で、体長4.5mの人食いザメ…
っていうか、ソレって普通のホオジロザメと変わらないやん、つーか実際に合成に使われてる映像も、ただのホオジロザメだし…
と、かなり肩透かしを食らっていたのですが…この子供メガロドンはストーリー中盤で早々に退治されて、後半は親の巨大メガロドンが出現!!
これからが本番か!?とテンションが上げて見ていると…なんか、想像を絶する程の物凄いショボイ巨大ザメの合成映像が…
どうも、この合成映像、サメの実写映像にサイズを小さくした人間の映像を組み合わせて巨大ザメを表現しているのですが…
まるで子供が2枚の雑誌の写真を切り貼りして作ったかのようなリアリティ無視のムチャクチャな映像で、なんというか映像が浮きまくりで、殆どお笑いバラエティ番組並の合成技術。
ストーリー展開とショボイ特撮という2段階による肩透かしに加えて、余りの特撮シーンのショボさに、もう怒りを通り越して爆笑してしまいました。
総評としましては、ストーリーはそこまでヒドくは無いのでさておくとしても、特撮があまりにもショボすぎ。
普通の人ならキレて暴れだしそうな程のダメ映画ですが、Z級の映画が我慢出来る
「Shark Attack」シリーズの1~2作目は、B級ながらそれなりに観れる映画だったのに、一体何があったんだろう?