NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

ルール4 (65点:---)

■■■「ルール4」■■■
(65点:---)

 アメリカの片田舎の孤島のとある田舎町へと向かう定期連絡船で、一人の男が海に転落して船外機に巻き込まれて死亡するという事件が発生する。
 警察はこの事件を事故だと考え調査を行ったが、ただ一人、主人公だけが被害者が海へと何者かに突き落とされる瞬間を目撃していた。
 しかし、彼は以前にこの田舎町の実在の人物を題材とした殺人ミステリー小説を書いており、小説内で町を悪い印象で書かれた事から、町の全ての人間が彼の事を嘘つき呼ばわりし、彼の証言を信じるものは居なかった。

 彼はなんとか自分の汚名を返上すべく、古くからの友人である保安官と協力して独自に事件の捜査を進めるが、やがて町の若者の間で流行っている「死に神」という謎のボードゲームの存在へと辿り着く。
 そのボードゲームとは、ゲームに負けたプレイヤーは『指令カード』に書かれた内容(『誰かに死を送れ』と言うような指令)を必ず実行しなければならないという不気味な物だった…


 人気高い(?)のスラッシャームービーである「ルール」シリーズの第4弾。
 といっても、実際には「ルール」シリーズとは何の関係も無く、原題は「GLORY DAYS」というタイトルのアメリカのTV向け映画。

 つか、そもそも「ルール3」が既に「ルール」シリーズとは何の関係も無かったんだから、4がシリーズと関係ある訳ないよなぁ…
 こんな邦題で勝手に続編を乱発してて、ホントに「ルール3」とかが作られたらどうするんだろう?

 で、映画の内容はというと…確かに前振りのストーリーだけ見ると、いかにも青春スラッシャームービー系の話に見えるのですが、実際の内容はスラッシャームービーどころかホラーですらなく、どっちかって言うと謎解きメインのミステリー映画といった感じ。
 (まあ、確かに単なるミステリーと見るには、殺しの手口が結構残虐でスラッシャームービーっぽい部分もありますが…)

 しかも、この死に神」ゲームの話だけで最後まで引っ張るのかと思いきや、この事件は40分程度であっさり解決してしまい、全く別の新たな事件が発生し、これまた解決~といった調子で、実質は3本のオムニバスの連作ミステリー映画とでもいった体裁になっています。
 まあ3本とも舞台や主人公やメインの登場人物は同じなので、オムニバスと言うよりも、むしろTVシリーズ3話分を一挙放映とでも言ったイメージかも?

 で、肝心の映画の内容はというと、まあストーリー展開や演出は特に悪くは無く、割と凝った殺人ギミックとテンポの良い謎解きがなかなか良く出来ており、思いの他楽しめます。
 ただ1話1話の尺が短く、犯人に対する手がかりを視聴者が理解できるよりも先にずんずんと話が進んで、事件が勝手に解決してしまうので、謎解きをする楽しみが薄いのはミステリーとしてはどうかなぁ?って感じでしょうか。

 総評としましては、もっとクソ映画かと思いきや、その実は割と小気味の良いミステリー映画といったところ。
 ミステリーもののTV映画とか好きな人ならば、そこそこ楽しめる内容だと思いますが強くお薦めする程に面白い訳でも無いので、スラッシャームービーっぽいノリが好きでミステリーも好きって人ならばお好みで…って感じでしょう。

 まあ、しかし「ルール4」と銘打って居る事から、『ホラーを観るつもりで借りたら実はホラーじゃなかった』…って時点で肩透かしもいい所なんですが、そもそも本当にこの映画を「ルール」シリーズの新作と勘違いして借りる人が居るのか?って気もするので、こういうのもアリかな?と…

 ちなみに本編を観てから予告編を見ると、涙ぐましい程に嘘八百を並べているのが相当笑えます。
 いや、誰も「ルール」の正当な続編だなんて思ってないから、そんなに頑張って予告を作らなくても良いよって…(苦笑)