NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「チャイルド・プレイ チャッキーの種」(60点/ホラーコメディ)

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■■■「チャイルド・プレイ チャッキーの種」■■■
(60点/ホラーコメディ)

 イギリスで腹話術師の人形としてコキ使われる、自分の心を持ち喋る事が出来る不思議な人形のシットフェイスは、毎夜見る自分がある家族を虐殺する悪夢と自分の出生の秘密に疑問を感じていた。

 彼はそんなある日、TVショーでハリウッドで殺人人形であるチャッキーとティファニーを題材とした都市伝説ホラー映画が製作されるとのニュースを見て、彼らこそが自分の両親である事に確信を抱く。

 彼は両親に会うために、腹話術師のもとを逃げ出して一路ハリウッドの映画スタジオへと赴くが…


 20年以上に渡って作り続けられている、お馴染みの殺人人形のチャッキーが主人公のスラッシャーホラームービーの第5段。

 前作でチャッキーの花嫁が登場したのに加えて、今度は遂にチャッキーの子供までが登場します。

 この手のホラー映画ってのは、シリーズを重ねるとだんだんコメディ色が強くなっていく傾向があるものですが、このシリーズは最たるもので、もうすっかりコメディ映画になり下がっておりまして…

 ティファニーの声優役のジェニファー・ティリーが本人役で登場していたり、「サイコ」やら「シャイニング」やらのパロディシーンが出てきて見たりと、もうやりたい放題で相当バカっぽくて笑わせてくれます。

 殺人鬼のチャッキーとティファニーに対して、彼らの子供のグレン(グレンダ)は蠅も殺せないような弱気な性格というキャラ付けも面白いですし、子供のために殺人常習癖を治そうと努力するティファニーの姿も笑えます。

 正直、コメディ化してしまう事はシリーズのファン的には微妙な気分で、実際に賛否両論あるようですが、逆にここまでコメディとして割り切って作られていると、返って清々しさすら感じる程で、個人的にはこういうのもアリかな?とは思います。

 1作目からの乗り移りの設定なんかも出てきますが、既に初期の設定は何処へやら…といった感じで、まあ、この辺はもう3辺りからどうでも良くなってきてたので、あまりツッコミを入れても詮無き事といった感じでしょうか?

 特撮に関しては、1作目から20年も経過してるだけの事はあって流石に格段の進化を遂げており、特にチャッキーの表情の豊かさと生き生きとした演技は非常に存在感があって一見の価値アリ。
 ゴア描写に関しても進歩してはいるものの、死体を前にピースサインをして記念撮影をするチャッキーの姿の前に、残虐性はすっかりコメディの彼方に消え去っており、怖さなんかは微塵も感じられません。

 まあ最早、4作目以降のこのシリーズに怖さを求める人も何処にも居ないでしょうが…

 総評としましては、正直な話、ホラー映画として観るとどうしようもないレベルのクズ映画ですが、コメディ映画として観るとなかなか良く出来た面白い作品です。

 チャッキーというキャラクターを面白おかしく描く事に注力したような映画ですので、シリーズのファン的にはチャッキーというキャラクターが好きならば観ても損はないとは思いますが、ちゃんとした怖い映画が観たい人はスルーした方が良い作品でしょう。

 バカ映画が好きな人には、ごく普通にオススメですよ。