NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「キング・スネーク 殺人大蛇」(20点/モンスター:地雷)

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■■■「キング・スネーク 殺人大蛇」■■■
(20点/モンスター:地雷)

 リッチマン博士によってアマゾンの奥地の川底から石棺に入った状態で発見された未知の部族のミイラは、その遺伝子を調査した結果、テロメアが変異し死ぬまでに300歳以上の年齢を生きていた事が判明する。

 人類が不老不死となる秘密が解明されるかもしれないと考えた複合巨大企業体の社長であるサイモンは、ミイラが発見されたアマゾン奥地へとベースキャンプを設置し、遺伝子学の世界的権威であるリックとスーザンを中心にした調査隊を派遣するが、悪天候の為にヘリが墜落し彼らは密林の中で孤立してしまう。
 なんとか自力でベースキャンプを目指す一行だったが、その密林には謎の未開種族に加えて恐るべき巨大な怪物が潜んでいたのだ…


 まあ、タイトルを見てそのまんまといった感じですが、巨大な大蛇が登場するモンスターホラー映画です。

 大蛇といっても、アナコンダ「パイソン」と言った一般的な巨大生物映画といった感じではなく、この映画に登場する大蛇はちょっと特殊な感じで…
 1つの胴体に7本(ぐらい?)の頭を持つ恐ろしく巨大な大蛇で、いわゆるアルゴ探検隊の大冒険に登場したヒドラのような外見をしております。

 しかもこいつが、ゆうに20mぐらいの全長と無茶苦茶デカくて、どう考えても地球防衛軍でも呼んでこないと倒せ無そうなイキオイですので、殆ど怪獣映画のノリになっており、いわゆる生物パニック映画といった雰囲気とは少々違うノリのモンスター映画色が強い映画です。

 パッケージには『パイソンのスピードとボアのパワー、 そしてアナコンダの攻撃性を兼ね備えた恐るべき大蛇が、主人公たちに襲い掛かる』みたいな事を書いてますが、まあ確かに能力は兼ね備えてそうだけど、コレは同列に並べて比較して良い生き物とは、ちょっと違うだろう…

 まあ、別に怪獣映画だろうが何だろうが内容が面白ければソレで良い訳ですが、ハッキリ言ってパッケージを観た瞬間に感じる『ヤバそうなテイスト』が、まさにそのまま出てるといった感じの内容。

 CGは怪物の露出も多くTV映画の割には結構頑張って作っては居るのですが、CGが安っぽくて背景から浮きまくっている事と、怪物の非現実的なデザインとのせいで、全くリアリティが無く物凄くチャチに感じてしまいます。
 怪物の見せ方もハッキリ言ってヘボくて、全く恐さが無いですしね…

 また、ストーリーに関しても、『ジャングルの奥地』、『不老不死の秘密』、『大蛇』アナコンダ2」まんまパクリな設定に加えて、脈絡も伏線も無くてやたらと唐突な展開が多く、リアリティなんて言葉は何処かに忘れてきたのでは無いかと言うぐらいに適当な内容で…

 例えば、主人公の知り合いである未開の現地人は、部族独自の言葉を使う為に主人公以外は会話が出来ないような状況なのに対して、もっと未開の種族である筈の大蛇を崇拝する『ヘビ族』は何故か英語がぺラペラという謎設定だったり、ニシキヘビに噛まれた主人公が何故かヘビ毒のせいで死にかかったり…と言った感じで、イチイチ突っ込むのがアホらしくなるぐらいにツッコミどころが満載。

 オチに関しても、どう考えてもヤバいだろう…って言うような怪獣にしか見えない大蛇は倒さずに放ったらかしで、『ヘビ族の平和の為に不老長寿の秘密は秘密のままで留めよう』みたいな上手い事言ったようなオチを付けてるんだけど…
 あんたら、話の冒頭で不老不死の秘密がミイラにあるって記者団に報告してるし、君の会社が諦めても他の会社が絶対に調査に来るので、それダメだから!絶対に意味無いから!!
 (まあこんな怪獣が居座ってるままじゃ、どこの調査隊が来ても確実に全滅だろうけど…)

 総評としましては、何と言うか…ツマんない上にコレといった見所も無いという、いわゆるZ級のクズホラー映画ですな。
 どこか一つでも誉める点でもあれば良いのですが、ホントに普通にツマんないだけの映画ですので、クソ映画好きの私を持ってしても少々辛い内容でした。

 Z級でも、せめてもっと笑える内容とかなら良かったんですけどねぇ…中途半端にちゃんと作ろうとしてる所が逆に仇になった感じですな…怪物だけはやたらとパワフルなんだから、全体的にもうちょっと勢いがあればなぁ…と感じる作品でした。