NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「チョコレート/ミック・ギャリス」<マスターズ・オブ・ホラー>(40点/サイコホラー)

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■■■「チョコレート/ミック・ギャリス」<マスターズ・オブ・ホラー>■■■
(40点/サイコホラー)

 食品会社で人工合成のフレーバーを研究・開発し、他人よりも非常に敏感な味覚の持ち主であるジェイミーは、ある日、目を覚ますと、口の中に食べていない筈のチョコレートの味が残っているという奇妙な感覚を味わう。

 その後日、友人のロックライブの会場でも、突然観た事のない風景と感覚を味わった彼は、どうやら自分が見知らぬ他人の見ている風景や感覚を味わっているのだと言う事に気付く。

 やがて日増しに、突然襲ってくるその『他人との共有感』は強くなっていき視覚や触感までも共有するようになった彼は、その相手が美しい女性である事を知り共感からやがて彼女に惹かれるようになっていく。

 しかしある日、共感の最中に偶然にも『ある事件』を目撃してしまった彼は、現実に存在する筈の彼女を探し出しなんとか救おうと試みるのだが…


 世界的に有名なホラー監督が競演する「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズよりミック・ギャリス監督による、ちょっと風変わりなサイコホラー。

 ミック・ギャリスという監督も今回の選ばれた中では割と若手の監督なのか、実はあまり良く知らない監督さんなのですが、経歴を見てみると「スリープウォーカーズ」「ライディング・ザ・ブレット」といったS・キング原作の作品を多く手がけた監督のようで、実際に私も何本か観た記憶のある作品が含まれて居ます。
 どっちかって言うと、劇場映画よりもTV映画をメインに撮ってる監督さんなのかな?

 また、本「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズのメインタイトルにも、製作のメインとして彼の名前が出てる事から、本シリーズは彼の働きが無ければ生まれなかったのかも?と考えると、たいした偉業だと言えるでしょう。

 本作の方は、『非常に鋭い味覚を持った男が、どういう訳か見知らぬ女性と感覚を共有する事になってしまう』…というなんとも不思議なお話。

 イデアや先の読めない展開はなかなかに面白いと思うのですが、どちらかと言うと、正統派ホラーというよりも「アメージングストーリー」とかトワイライトゾーンとでも言うような、ちょっとSF風味の強いお話かな?

 内容的には、確かにアイデアそのものは良いと思うのですが、イデアの面白さに対して、ストーリーがやや練りこみ不足の部分が感じられ、全体的になんとも中途半端な印象を受ける作品です。

 表題の「チョコレート」導入部以外では全く意味が無いアイテムですし、離婚した妻と子供の事が序盤でソレっぽく語られながらも、本編では何の意味も無い脇役ですし…

 何の説明も得られないまま投げっぱなし気味に終わるオチも合わせて、どうにも消化不良気味でスッキリしない部分が多いです。

 演出やら全体的な完成度そのものは悪く無いと思うので、その辺をもうちょっと練りこめば、結構面白い作品になったのでは?と思える事からも、ちょっと惜しい作品ではありますね。

 もともとがTV映画の監督さんのせいか、作品が全体的に小ぶりにまとまり過ぎてる感があるので、もうちょっとハジけた部分があっても良かったかな?

 総評としましては、イデアとしては割と面白いながらも『可も不可も無い』感じの作品です。

 ホントにトワイライトゾーン風の短編TV映画の1エピソードみたいな印象を受ける作品ですので、そういうノリが好きならば結構楽しめるとは思うのですが、「マスターズ・オブ・ホラー」の1エピソードとしては少々物足りないかも?

 同時収録の「閉ざされた場所」と合わせてお好みで…といった所でしょう。