NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・フォッグ」(2005年版)(40点/オカルトホラー)

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■■■「ザ・フォッグ」(2005年版)■■■
(40点/オカルトホラー)

 創立100周年のイベントが迫るアントニオ・ベイの港町で、灯台の管理と個人経営のラジオ局の運営を行っているスティービーは、ある日、海上に風向きとは逆の方向に進行する奇妙な『霧』を発見する。

 翌日、沖合いで霧の中に居たと思われるクルーザーで、3人の男女が何者かに惨殺されているのが発見され、唯一の生き残りの男性は『霧の中に何者かが潜んでいる』と奇妙な言葉を発する。

 やがて、海上にあったその不気味な『霧』は、沖合いから街へと進行を開始し、それに伴って不気味な事件が起こり始めるのだった…


 ジョン・カーペンター監督によるオカルトホラーの佳作であるザ・フォッグリメイクに当たるオカルトホラー映画。

 ストーリー的にはオリジナル版と同様で、積年の恨みを持った怨霊たちが霧の中から帰ってくる…といった感じのお話なのですが、オリジナルに比べると謎解き要素やミステリー色が強めの展開。

 別に謎解き要素が強めなのは良いのですが、謎の解明までに随分と引っ張られるので、テンポの良かったカーペンター版に比べると、どうにも冗長に過ぎる印象は拭えません。

 特に襲撃シーンまでの展開は引っ張りすぎで、オリジナルでは複数回に渡っていた襲撃シーンがラストシーンの1回に集中する形になってしまってるので、中盤の盛り上がりがあまりにも乏しくて正直言ってダレます。

 謎解きに関しても、序盤の設定を忘れそうになるぐらいに展開を引っ張るので、この辺はもうちょっと簡潔に描いて、もっと要所要所に盛り上げるシーンを盛り込んで欲しかったです。

 なんか襲撃シーンがあまりにも少ないので、どうにも緊張感が薄いんですよね…

 ただ襲撃シーンそのものの描かれ方は、なかなか凝っててカッチョ良いシーンも多いですし、亡霊もクッキリハッキリ描かれてて、この辺は流石に時代の進歩を感じます。
 オリジナル版は、元々が低予算映画だって事もあるのですが『何か良く分からないボロ布を着た人』みたいになってましたからね…

 ただ無闇に盛り上げようとしすぎる展開が鼻に付いて、逆にチープに見えてしまってる部分とかもあるのは痛し痒しと言った所ですかね?

 あと、本作ではオリジナルと違って亡霊達に妙に『人間臭い部分』があるんですよね…

 そのお陰で、『怨念から淡々と犠牲者を殺していく』という展開のオリジナルと比べるとやや怖さが薄れている感がありますが、物語的には面白くなってる部分もあるので、この変更は賛否両論かなぁ?


 総評としましては、オリジナル版からして傑作という事も無かった作品ながらも、なんと言うか『オリジナル以上に微妙な作品』ですね。

 ぶっちゃけ、余りオススメできるようなレベルの作品ではないですし、コレだったら『ストーリーも簡潔で分かりやすいオリジナル版を観た方が良いかなぁ?』とも思うレベルですが、リメイク版も雰囲気作り等の悪く無い部分もあるので、まあその辺はお好みで…

 オリジナル版を好きな人でも、まあ『絶望する程酷いレベルのリメイク』って事は無いと思うので、『現代風にアレンジされたらこんな感じか…』ってのを観る程度になら観ておいても良いかもしれませんよ。