NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アンビリーバブル」(60点/SFサスペンス)

イメージ 1

■■■「アンビリーバブル」■■■
(55点/SFサスペンス)

 時は2011年、全世界規模の原因不明の環境変化により7月に雪が降るという異常気象が発生したり、ウガンダでは重力の異常から『空飛ぶウガンダ人』と呼ばれる人間が宙に浮くという現象が発生。
 また、アメリカでは孤独な人間が謎の突然死を遂げる『孤独死』が流行するという全世界規模での異常現象が相次いでいた。

 国際的なフィギアスケートの選手のエレナの夫であるジョンは、別居中のエレナから離婚届にサインを貰う為に彼女のプレミアのパーティへと参加する。

 しかしそのブレミアの開催地で、エレナから『自分の命が危ないから一緒に逃げて欲しい』と懇願された彼は、彼女の真剣な様子とその言葉を信じて大富豪のスポンサー達の手から逃亡を企てるのだった…。


 ホアキン・フェニックス主演の、どことなくSF風味なテイストのあるサスペンス映画。

 SF風味といっても、別に未来的なメカとか装置とかが登場する訳でもなく、論理的なロジックに基づいたお話という訳でも無いので、むしろ『SFファンタジー』とでも言うような感じの作品かも?

 物語の全般に漂う奇妙に退廃的な雰囲気や、どことなく幻想的な雰囲気がなかなか良いテイストをかもし出しており、どこかロシアとかヨーロッパのSF映画風のイメージを感じさせます。

 全体的な絵作りや演出もどこか幻想的なシーンが多く、不思議な雰囲気を持ったSFファンタジーのテイストが好きな人なら、雰囲気を味わうだけでも結構楽しめる作品だと思います。

 ただし……ここからは結構ネタバレになってしまうのですが敢えて言ってしまうと…

 タイトルや作品の雰囲気から、てっきり『オチでビックリ』系の作品かと思って観ていたのですが、不思議な現象は『不思議なまま』で全く解決しません。
 ぶっちゃけた言い方をすると、本作はある意味でオチの無い『投げっぱなし映画』的な作品なんですよ。

 ただ投げっぱなしと言っても、別に『オチを付けるのを放棄した作品』って訳では無く、どっちかと言うと例えるならタルコフスキーとかキューブリック監督の作品のように『観た人が好きなように受け止めてください』的なオチなんですが…

 てっきり私は『論理的なオチ』の付く作品だと思って見ていたので、ちょっとだけキツネにつままれたような気分になってしまいましたよ。

 総評としましては、幻想的かつ退廃的な雰囲気を持ったロシア風SF映画とかが好きな人なら、結構楽しめる作品だと思います。

 個人的には『普通のサスペンス』と考えるよりも、そういった『不思議な雰囲気の映画』と理解して観る方が素直に楽しめる作品だと思うので、そういうノリが好きな人は観ておいても損は無いでしょう。

 ただ、タルコフスキー監督っぽい雰囲気のせいか、本作はとにかく『非常に眠くなる映画』ですので、体調を万全にして観る事をオススメします。

 私は余りの眠さに耐え切れずに、途中で一回寝てしまいましたよ。(笑)