NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ネメシス・ゲーム」(25点/サイコスリラー)

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■■■「ネメシス・ゲーム」■■■
(25点/サイコスリラー)

 カナダのトロントに住む女子大生のサラは、幼い頃に交通事故で母親を無くした影響から、世の中で理不尽な事件や事故が起こる事の『真理』に迫る為に独学で勉強を続けていた。

 そんなある日、彼女は地下鉄で偶然に発見した落書きから『何者かから出題される「謎かけ」を解き続ける事で世の中の「真理」迫る事が出来る』とウワサされる都市伝説である「ネメシス・ゲーム」へと参加する事になる。

 ゲームに傾倒していくうちに、彼女は同じ大学に通うカランという男性が同じゲームに参加している事を知るが、「謎かけ」を追っていくうちに地下でカランの死体を発見し、自分が罠に嵌められた事を知るのだった…


 何者かから出題される『謎かけ』を解き続ける事で、世の中の『真理』へと到る道を知る事が出来るという架空の都市伝説「ネメシス・ゲーム」を題材とした、サイコスリラー映画。

 『出題される謎かけを追い続ける事で、動機不明の殺人事件の真相に迫っていく』という設定だけみると、『なかなか面白そうな映画かも?』と思って借りてみたのですが…

 その実態は『なんじゃコリャ?』って感じの意味不明のサスペンス映画でした。

 あまりにもアレな内容だったので、今回はネタバレありで感想を書いてしまいますが…

 お話の序盤がやたらと説明不足で、基本的なストーリーの設定が語られるまでは話の意味が分からない上に、展開もやたらと冗長でぶっちゃけ設定を理解するまでの序盤でいきなりダレます。

 その上に、主人公達が解いていく『謎かけ』に関してもメチャクチャ幼稚な内容で、『ドアがドアで無くなる時は?』(答えは『半開き(ajar)の時(ajar = a jar[壷]になるから)』)みたいな小学生レベルの『謎かけ』というか『なぞなぞ』を真剣に解いていく主人公達の姿は、単に滑稽なだけで緊迫感も何もありません。

 まあ、それでもストーリーが面白いんならば良いのですが、何の脈絡も無く殺人事件が起こったと思ったら、更に唐突に現れて勝手に自首する犯人。
 めちゃくちゃどうでも良さそうなキャラが、突然に物語のキーマンになってみたりと、もう恐ろしいまでに唐突な展開の連続でハッキリ言って付いて行けません。

 オチも何の解決も無いままの投げっぱなしも良い所で、ラストまで観てもサッパリ意味不明。

 いや、監督の言わんとしてる事は何となく分からなくは無いですが、コレが自主制作映画とかならともかく、エンターテイメントとして受け入れろと言われると流石に酷です。


 総評としましては、設定だけは結構面白そうなのに『設定倒れも良い所』の超絶微妙な映画です。

 こういう『世の中の真理』みたいなのをネタにするなら、もっとM・ナイトシャマラン監督みたいな意味不明なぐらいまでに強烈な個性やハッタリを効かせないと、『訳の分からない自己満足映画で終わってしまうんだなぁ…』という典型的な『悪い例』みたいな作品ですので、ぶっちゃけスルーしてしまって問題ないかと…

 題材の活かし方さえ間違えなければ結構面白い作品になったと思うのですが、少なくとも『正統派サスペンス』を期待してる人は観ない方が良い映画だと思いますよ。