NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「カースド」(65点/モンスターホラー:結構オススメ)

イメージ 1

■■■「カースド」■■■
(65点/モンスターホラー:結構オススメ)

 ハリウッドのスタジオに勤めるエリーとサエない弟のジミーは、ある日の仕事帰りに車でマルホランド通りを移動中に誤って対向車と衝突、対向車が崖下に転落するという事故を起こす。

 対向車のドライバーを救出する為に崖下へと降りた彼女たちは、負傷したドライバーを車から引きずり出そうとした瞬間に巨大な謎の獣の襲撃を受け、ドライバーは獣に食い殺されて彼女たち自身も傷を負わされてしまう。

 そして傷を負ったその日以来、彼女達の肉体には、異常に運動神経が良くなったり嗅覚が鋭くなったりという奇妙な肉体の変化が生じはじめ、獣の姿を直接目撃したジミーは獣が巨大な狼のような姿をしていた事から、自分達は『狼男の呪い』を受けてしまったのでは無いかと考えるが…


 「スクリーム」シリーズのウェス・クレイヴン監督による、青春スラッシャーホラー風味の狼男映画。

 本作は「スクリーム」エルム街の悪夢等でお馴染みのホラー界の巨匠の一人であるウェス・クレイヴン監督による、久々の完全新作ホラー映画
 って割には、劇場公開の規模も小さくあまり話題にもならなかったので『どうなんだろう?』と若干不安を感じながら観たのですが…

 いやいや、話題になろうがなるまいが流石は『腐ってもウェス・クレイヴン!!』非常にテンポも良くて面白い作品に仕上がって居ます。

 予告編やタイトル、パッケージのデザインなんかを観ると『割とシリアスな話なのかな?』と思うのですが、ノリ的にはまるっきり『青春スラッシャームービー』の『狼男版』って感じのライト感覚のホラー映画ですね。
 (っていうか、パッケージは中途半端に「スクリーム」を意識しなくても良かった気がします。コレじゃとっさに『狼男映画』って思わないですよ。)

 オタク青年(主人公の弟)といじめっ子等、主人公周辺のキャラクターの描き方も非常に個性的で分かりやすく、お話も全く中だるみなく『適度な見せ場』を交えながらスピーディに進む為、とにかくテンポが良くて観ていて楽しい作品です。

 ブラックユーモアやコメディ的な要素の混ぜ方も絶妙で、適度な緊張感を保ちながら適度に笑えるというバランス感覚の良さは『やっぱ、青春スラッシャームービーはこうあるべき!!』と感じさせる程の完成度で、流石は青春スラッシャーホラーの大御所といった所でしょう。
 (特に、本編に全然関係の無い『いじめっ子の秘密』には爆笑しました。)

 ヒロイン役のクリスティーナ・リッチも相変わらず良い味を出しており、『やっぱ、この人はイロモノ作品に出てるときの方が輝いてるなぁ…』と言う感じでファンとしては嬉しい限りなんですが…

 本編の中で『狼男になった人間はセックスアピールが増す』みたいな設定があるんですが、流石にクリスティーナ・リッチのキャラでお色気キャラは無理があるんじゃ?』とかツッコミたくなるシーンなんかも。(笑)

 特撮に関しては、いかにも『狼男』って感じのモンスターのデザインもなかなか良くて、アクションシーンとかも結構良く出来てるんですが、CGに若干『低予算だなぁ』と感じさせるようなチープさがあり、合成とかが不自然に見えるシーンが散見されたのは残念な所ですね。
 まあ、B級作品にそこまで求めてはいけないのかもしれませんが、本編が良く出来てるだけに逆に気になってしまいました。

 あと割とどうでも良い部分なんですが、『主人公(姉弟)の家族の話』とかは、ちょっと消化不良気味で何が言いたいんだか良く分からなかったので、いっそ全部カットしてしまっても良かったのでは…


 総評としましては、若干B級的な安っぽさは感じるものの、総じて非常に良く出来た『佳作的なB級ホラー映画』だと思います。

 『青春スラッシャームービー』的なノリが好きならば、絶対に楽しめる作品だと思いますので、そういうノリが好きならば是非とも観ておいていただきたい作品だと言えるでしょう。

 本作もウェス・クレイヴン監督作品的には「ショッカー」とか「壁の中に誰かが居る」みたいに、『あまり日の目をみない佳作』になるのかなぁ?
 とまれ普通に面白い作品だと思うので、とりあえず氏の監督作品が好きな方はチェックしておいて損は無いですよ。