NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デスゲーム」(50点/スラッシャーホラー)

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■■■「デスゲーム」■■■
(50点/スラッシャーホラー)

 コンピュータ技術者でゲームマニアのハッチは、ある日、自分の幼馴染で同じくゲームマニアのルーミスが、ゲームのプレイ直後にゲームと同様の手段で何者かに惨殺されたと知らされる。

 友人の遺品として、彼が死の直前にプレイしていた「ステイ・アライブ」というテストバージョンのホラーゲームを受け取ったハッチは、ルーミスの弔いの意味も込めて仲間たちとそのゲームのプレイを開始するが、仲間の一人がゲームの中でゲームオーバーになった直後に、やはりゲームと同様の手段で惨殺されてしまう。

 やがて、このゲームが17世紀に実在した「バートリー伯爵夫人」という人物と、彼女がかつて大量虐殺を行った「ゲルージュ屋敷」という場所が舞台となっている事や、他にも同様にこのゲームをプレイした人間が同様の手段で『ゲームオーバーになった直後に殺されている』事を知った彼らは、このゲームがプレイした人間を死に追いやる恐るべき『呪いのゲーム』である事を疑いだすが…


 『呪いのビデオ』ならぬ、プレイした人間を殺してしまうという『呪いのゲーム』を題材としたスラッシャーホラー映画。

 同じようなネタで、以前にヘルレイザー ヘル・ワールド」とかって作品もありましたが、アチラがゲームの画面とかがかなり適当な感じだったのに対して、本品ではゲームの画面とかシステムとかが『いかにも現実にありそう』な感じで作られており妙にリアリティが感じられます。

 本編のストーリーも『アイテムを集めて敵のボスを倒せ』みたいな、いかにもゲームっぽい展開だったり、本編で「フェイタル・フレーム」とかキューバート」とか、妙にマイナーなゲームのタイトルが実名で登場したり…

 この監督は、実際に自分もゲームマニアなんだろうなぁ…と思わせる部分が多く感じられるのが、ゲームマニア的にはニヤリと出来て面白い所ですね。

 …が、肝心のお話の方はアイデアやノリは悪く無いと思うんですが、なんというか全体的にいま一歩な感じ。

 なんかお話のテンポが悪いというか、盛り上がるシーンは要所要所に挿入されてるんですが、どうにもシーンの繋ぎがブツ切り的で緊張感が持続しないんですよね。

 あと、伯爵夫人の悪霊にしても映像センスは悪く無いんですが、モンスターの暴れっぷりがイマイチ物足りないのが勿体無い感じかな?

 本編中に登場するゲームの方は、かなりスピーディな感じのゲームシステムっぽいのに、肝心の映画の方がテンポがイマイチな所が妙に違和感を感じさせている部分もある気がするので、いっそひたすら戦いまくる『バトルホラー』みたいなノリにした方が良かったかも?

 また、本作の映画内のルールとして『ゲーム中にゲームオーバーになった人間が殺される』というのがあるんですが、途中からこのルールがうやむやになって『何でもアリ』みたいなノリになってるせいで、逆に緊張感が無くなって居る感じがしました。

 最後に余談的なツッコミですが、本作の『ゲームを使って悪霊が復活する』というアイデアは良いと思うのですが、『結局、このゲームを作ったのって誰よ?』ってのが全く語られないのは、流石にちょっと不自然というか片手落ちな気がします。

 『呪いのビデオ』とかみたいに『映像』程度なら、実際に『念写』という超能力もあるぐらいなので『アリかな?』とか思いますが、ゲームとなるとそんな簡単に作れるものじゃ無いので…
 幾ら何でも、悪霊が10数名を超えるゲーム開発スタッフを擁していたり、オンラインゲーム用のサーバを管理したりしてるとは思えないですしね。

 まあ、逆にこんな事を気にするのはゲームマニアぐらいなものかもしれませんが、ゲームマニアっぽいノリが感じられる作品だからこそ、その辺はキッチリと描いて欲しかったかな?


 総評としましては、別にツマンなくは無いんだけど何か物足りないというか…全体的に少々食い足りなさを感じる作品でしたね。

 アイデア自体は悪く無いとは思うのですが、『もう一歩練りこみ不足かな?』と感じてしまうような映画でした。

 まあスラッシャーホラーとしては、とりあえずの及第点は満たしているタイトルだと思いますし、細かいツッコミを気にしなければそこそこ楽しめるタイトルだとは思いますので、気になる方はお好みで…といった所でしょう。