■■■「口裂け女」■■■
(25点/心霊ホラー)
髪が長く背の高いコートを着て口にマスクを付けた女性が「ワタシ、キレイ」と尋ねてくる。
「キレイだ」と答えると女性がマスクを外すとその下には…
1970年代後半に日本中を恐怖に叩き落した都市伝説である「口裂け女」のウワサが、神奈川県静川町周辺では再び広まりつつあった。
そんな矢先、そのウワサどおりに「口裂け女」の扮装をした謎の女性に、子供たちがさらわれて行方不明になるという事件が続発。
目の前で教え子を連れ去られた教師の京子は、同僚の松崎と共にさらわれた生徒を取り返すべく「口裂け女」の謎に迫っていくが…
私ぐらいの歳の人間なら、おおよそ知らない人は居ないであろうと思われる(というか、若い人でも知ってるかな?)「口裂け女」の都市伝説を題材とした心霊ホラー映画。
本作の最大の見所は水野美紀の扮する、その余りにも「口裂け女」然とした「口裂け女」のデザインでしょう。
パックリと耳元まで裂けた口を開くシーンなんかは非常にインパクトがあり、「口裂け女」を知ってる世代なら『ああ、コレぞ「口裂け女」だ!!』って感じで、それだけでもちょっと感動を覚えることウケアイです。
ただ、ウチの地方では『手に鎌を持っていて、被害者が口を裂かれる』という話だったのですが、この「口裂け女」は手に巨大なハサミを持っています。
コレに関しては地方で諸説があるのかな?
「口裂け女」の最初の登場シーンが、『巨大地震の影響で「口裂け女」が復活する』という『お前はどこの巨大怪獣だよ?』というようなハッチャケた導入に期待が高まったのですが…
どうにも、出だし以降はなんとも低調な展開。
何が辛いって、もっと『バカ映画』を期待して借りたのに、内容がどうにも暗い&重い。
もっと、殺人モンスターの「口裂け女」が大暴れするような内容かと思ってたら、むしろ『DV(家庭内暴力)映画』みたいなノリで、ハッキリ言って『「口裂け女」よりもキチ●イ母親の方がよっぽど怖いよ…』って言うような内容。
ぶっちゃけ観てて息が詰まる上に、物語の展開も遅くて非常にイライラします。
また、本作では「口裂け女」の基本設定は踏襲しているものの、誕生秘話は全くオリジナルの物が用意されており…
まあこの映画オリジナルの設定も割と良く考えられてて、それなりに面白いので別に悪くは無いとは思うのですが…
本家の『美容整形に失敗した女性の末路』という設定では無くなっているため、当然ながら『ポマード』という弱点ワードも持っておらず、また『100mを5秒で走って追いかけてくる』とか『重機なみの怪力で玄関の鍵もこじ開ける』という後付の面白設定が全く反映されていないは、何とも残念なところ。
個人的には、もっと『超人的な身体能力を持った不死身の殺人鬼「口裂け女」が、ジェイソンばりに大虐殺を行う』ようなノリにして欲しかった…
オチも捻りが無くて『そんなんで良いんか?』というような終わり方で、最後まで『怖さよりもストレスを感じる映画』でした。
総評としましては、何というか初見のインパクトだけは大きい、非常に『出オチ』感の漂う作品です。
サトエリがヒロインって事も話題になってましたが、個人的にはどうでも良いですしねぇ…
水野美紀の「口裂け女」のインパクトを確認したい人は、ぶっちゃけ『予告編だけ観ておけば十分』な内容だと思いますが、水野美紀の怪演を確認したいという人は、試しに借りてみても良いんじゃないでしょうか?