■■■「オーディション」■■■
(35点/スラッシャーホラー)
脚本家を夢見てハリウッドで暮らす来たサラの元に、田舎から兄とその友人が遊びに訪れる。
兄たちと街に遊びに行く事となったサラは、ルームメイトで女優の卵のシャンデルを含めた4人で芸能人が集まるクラブへと赴くが、そこで出会ったシャンデルの知り合いから超大物俳優であるフェンウェイの自宅へと招待される。
その場所で、フェンウェイが『とあるドキュメンタリーフィルム』を撮影している事を知らされ、その撮影に協力して欲しいと言われた彼らは『大物とのコネクションが持てる』と喜んだのもつかの間、睡眠薬入りの飲み物を飲まされて昏倒。
それぞれが別の部屋で監禁された状態で目を覚ました彼らを待っていたのは、恐るべき『殺人ドキュメンタリー』の撮影現場であった…
最近ちょっとだけ流行りつつあるジャンルなのか、いわゆる「ホステル」系の監禁サディスティックホラー映画。
オーディションと偽って連れられてきた若者たちが、サディスティックな殺人鬼によって監禁殺害される…といった感じのお話です。
パッケージのウリ文句によると、『「ホステル」や「ハイテンション」に続くサディスティックホラー』みたいな事が書かれていましたが、内容的にもパワー的にもどっちにも遠く及ばない印象。
って、ぶっちゃけ「ホステル」も「ハイテンション」もサディスティック度合いではイマイチだったのに、ソレに遠く及ばないんじゃ困る訳ですが…
残虐描写が売りな割には表現がイマイチで、パッケージにもなっている『まぶたに注射針を突き刺し』のシーンは痛そうなんですが、他はあまり『痛そう』と感じるシーンがないのは残念なところ。
残虐シーンでも、前振りが長い割に残虐描写がやたらとショボかったり、殺す時も物凄くアッサリと止めを刺してしまったりと、全体的にこの監督は『ちょっとサディスティック度合いが足りない』印象ですね。
もうちょっと、『やりすぎサディスティックホラー』みたいのを期待してたので、ちょっと拍子抜けかも?
その割に意外と特撮は良く出来ており『死体の描写が妙にリアル』で気持ち悪かったりと、なんかちょっとアンバランス。
残酷シーンよりも死体を撮るのが好きなんだろうか…
(あと、どうでもいいけど、『Hシーンで主人公の兄貴の友達が大はしゃぎし過ぎ』です。思わず笑いそうになってしまったよ。)
お話そのもののテンポは悪く無いので、途中で退屈になって眠くなっちゃうような事は無いですが、お話の盛り上がりどころが乏しく、ラストもこの手の映画では定番の意味不明の『投げっぱなしオチ』なのは少々いただけけないかな?
あと、殺人鬼のキャラは中途半端に「SAW」の『ジグソウ』を意識していたりと、少々ステレオタイプ過ぎな感じ(意識してる割に、やたらと行き当たりばったりだし)ですが、『ロリータ風ファッションの東洋系の双子の少女』が殺人現場をひたすらハンディカムで撮影し続けるという絵面(えづら)は、なかなかシュールで良いと思いました。
総評としましては、B級ホラーとしては割と『可も不可も無い』ような感じのスラッシャーホラー映画でした。
サディスティックホラーと銘打つにはちょっとパンチが弱い感じの内容ですので、そういう意味では、むしろ『不可』寄りな印象かも?
残虐描写とか、その辺を期待して観ると肩すかしを食らう恐れがあるので要注意です。
ノリ的には『B級スラッシャー映画が好きならば、まあお好みで…』といった所でしょう。