■■■「レストストップ デッドアヘッド」■■■
(60点/スラッシャーホラー:結構オススメ)
ニコールは恋人のジェシーと共に、テキサスからハリウッドを目指して車での旅に出た。
長旅の途中で、カリフォルニアの片田舎にあるハイウエイの休憩所に立ち寄った彼らだったが、ニコールがお手洗いから戻ってみると恋人のジェシーが忽然と姿を消しているのを発見する。
人里離れた休憩所に置き去りにされて途方に暮れる彼女だったが、突然現れた「KZL 303」というナンバープレートを付けた黄色いトラックに乗った不気味な男に執拗に命を狙われる事となる。
トイレの壁に書かれていた落書きに『「KZL 303」ナンバーの殺人鬼』のウワサがあった事を思い出した彼女は何とかしてこの危機を脱出する為に、無人のハイウェイパトロールの事務所に侵入し無線で連絡を呼ぼうと試みるが…
ハイウエイの休憩所(レストストップ)に立ち寄った1人の女性が、正体不明の殺人鬼に執拗に命を狙われるという設定のスラッシャーホラー映画。
本作は特に前評判も聞いてなかったですし、劇場用公開作品でも無さそうなのであまり期待もしてなかったのですが…
いやいや、コレがなかなかどうしての掘り出し物でした。
最近、「ホステル」とかの『痛そう』を売り文句としたホラーが若干流行っていますが、本作は特にそういうのが売りと記載されても無かったのですが、何気にゴア描写が結構強烈で、むしろその手の『残虐シーンを売りにした映画』よりも、よっぽど痛そうなシーンが多くてちょっとビビりましたよ…
(『脚にドリル』とか『舌切断』とか、メチャクチャ痛そう…でも『ホッチキス』は絵面的にちょっと分かり難いかも?)
何でも本作は、ワーナーがアメリカでオリジナルビデオ向け作品として発売した「Raw Feed(ローフィード)」というホラーシリーズの第1弾に当たる作品だそうなのですが…
流石に大手配給会社が作っているだけあってビデオ版とは言え相当シッカリと作られており、このまま劇場公開しても十分に通用するレベルの完成度です。
『登場人物が異常に少ない』とか、いかにも低予算を感じさせる部分も若干ありますが、チープさを上手く演出で誤魔化しているのは良い感じですね。
ストーリーはそこまで凝ったものでは無く、割と淡々とした同じようなシーンが続くのですが、『スピード感のある演出』や『残虐シーン』を適度に挿入する事で全体が冗長な感じになってしまっていないのは上手いです。
単純な一本調子のスラッシャーホラーと思わせておいて、途中からちょっとだけ『えっ?』と思わせる展開への持って行きかたや、『やや強引』な雰囲気ながらもオチのまとめ方もなかなかGODO…
(ちなみにエンディングのスタッフロールの途中に割と重要なカットがあるので、スキップして見逃さないように要注意。)
ノリ的にはインディーズの劇場作品というよりは、「マスターズ・オブ・ホラー」とかみたいな『低予算だけど出来が良いTVシリーズ』のテイストに近いかな?
テイストの近い作品としては、1人の女性が殺人鬼に延々と追い掛け回されるというシチュエーションやら「ハイテンション」と非常に近いものを感じました。
むしろ「ハイテンション」を観て『ちょっと物足りないなぁ…』と感じた人には、なかなかオススメ出来る作品かもしれません。
総評としましては、久々にごく普通に『掘り出し物』と呼べるぐらいの完成度のスラッシャーホラーだと思います。
とりあえず、スラッシャーホラーが好きならば観ておいて損は無い作品と言えるでしょうが、とりわけゴア描写とか好きな人ならば是非。
しかし、この「Raw Feed(ローフィード)」というシリーズ。
特にチェックしていませんでしたが1作目からこれだけの完成度のものを見せられると、次回作以降にも期待せざるを得ない感じですね。
忘れないように、チェックしておこう…