NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リヴァイアサン」(40点/生物パニック)

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■■■「リヴァイアサン」■■■
(40点/生物パニック)

 アメリカ南部の湿地帯で、脱獄囚を追跡中の警官隊が全滅するという事件が発生する。

 湿地帯周辺の地元の警察が脱獄囚への警戒を強める中、とある田舎町で住民が次々と巨大な生物に食い殺されたかのような死体で発見れるという事件が発生。

 地元の動物管理局のデルマーは、現場を検分した際の状況から、生態系を乱す外来魚である、アジア産の『タウナギ』の研究を行っている生物学者のエイブラムソン博士が以前に行った『ある実験』が原因なのでは無いかと疑いを抱くが…


 最近『外来魚』をモンスター化するのが流行ってるのか、『雷魚』の次は『巨大ウナギ』が人を襲うという設定の、生物パニックホラー映画の登場です。

 リバイアサンというと、B級ホラー好きならば『海底基地版・物体X』っぽい某SFホラー映画を連想するかもしれませんが、もちろんストーリー的にはアレとは関係ありませんし、人間と遺伝子レベルで融合するようなモンスターも登場しません。

 つか、原題は「Razor Tooth(カミソリの牙)」ってタイトルだし、本編でも一切「リヴァイアサン」なんて言葉は出てこないのですが、無理に紛らわしいタイトルをつけなくても、もう『普通に「レイザートゥース」でいいじゃん?』とか思うのは私だけ?

 本編に登場するのは『全長4mを超える巨大なタウナギ

 まあ凶暴な外来魚が巨大化して人間を襲うというシチュエーションを描きたいのは分かりますが、『ウナギが4mになったからって人間が襲われて食われる』んだったら、今頃『3mのオオウナギ』が普通に棲息している九州の池田湖周辺は大パニックだろう…

 とか思う訳ですが、調べてみたらタウナギってのは「ウナギ」と名前が付いていますが『ウナギとは全く別の種類の魚』で原始的な肺魚の一種らしいです。
 ウナギよりもむしろ雷魚やらの近縁にあたる生き物なのかな?

 本編に登場する巨大タウナギは、「レイザートゥース」の名の通りに口に長い乱杭歯が並んだ深海魚のような凶悪な面構えをしているので、実際のタウナギもこんな怖い顔をしているのかと思いきや、実物はウツボやラブカが小さくなったような面構えの魚ですね。
 子供が「タウナギ」を、こんな怖い生き物だと信じたらどうするんだ?

 まあ、タウナギの話はさておき…

 本編の内容の方は、このタウナギくんが何とも凶暴で、序盤から出し惜しみ無く人間を『襲いまくり食いまくり』で盛り上げてくれるのは嬉しいところ。

 また襲撃の仕方もメチャメチャ強引で、10cmぐらいの排水口を無理矢理破壊して家に侵入してきたり、肺魚だから陸に上がっても平気』っていう無理矢理な理屈から、全力で走って逃げる人間を「アナコンダ」のような物凄い勢いでヌルヌルと這って追いかけてくるシーンは『怖っ、ウナギ怖っ!!』って感じです。

 ただ襲撃のアイデアは良いのですが、低予算CG映画の弱点ゆえに『人間とモンスターとの絡み』が希薄だったり、あからさまにCGと分かってしまう為に若干無理があるシーンが多いのは辛い所ですね。

 また、ストーリーが序盤から結構飛ばして盛り上がってくれるのは良いのですが、『盛り上がってから後の展開』が逆に冗長で見せ場に乏しく、同じようなモンスターの襲撃シーンの連続のため、ぶっちゃけ『最後の方では観てて飽きてしまう』のもいただけません。
 加えて、中盤までの盛り上がりに対してクライマックスが余りに捻りが無さ過ぎるのもちょっと難ありかな?

 全体的に、もうちょっと盛り上げるシーンに緩急が付いてれば良かったかも?

 あと本作はタウナギくんが頑張りすぎて、あまりにも食われる人間が多い為、最初に登場した瞬間に『あ、コイツは食われるな』というのが分かってしまう『食われ担当キャラ』が異常に多いのも、逆に興ざめな所かも?


 総評としましては、まあ良くも悪くも『オーソドックスなB級生物パニック映画』といった感じの作品です。

 若干、『CGのクオリティの低さ』は気になりますが、それが我慢できる人で同ジャンルが好きならば『まあ観ておいても損は無いかな?』って程度のタイトルと言えるでしょう。

 モンスターのデザインやパッケージ写真(裏面)がキワモノっぽいので、あまり期待していませんでしたが、思いの他『普通に楽しめるレベル』の生物パニック映画でした。