■■■「THE ROOM 閉ざされた森」■■■
(45点/シチュエーションスリラー)
不動産を営むドナルドは、寝たきりの妻を介護しつつ精神疾患を患った知恵遅れの息子のジェイムスと共に、つつましやかな生活を送っていた。
しかし、急な仕事で出張に出る事になった彼は、妻の看病を看護師のメアリーに依頼して外出するが、息子のジェイムスは自分1人で母親の介護を行いたいあまりに、看護師を閉め出して自宅に母親を監禁してしまう。
やがて、ジェイムスの『不適切な介護』によって、母親の身体はどんどん衰弱してゆき…
精神を患った(わずらった)息子によって家庭が崩壊していく様子を描いた、監禁もののシチュエーションスリラー映画。
まあ、『子供の知能のまま肉体だけ大人になった相手に、ワガママを言われると怖いよね。』という感じのお話です。
設定だけみると割とありがちな感じの話に見えますが、各所のファンタスティック系の映画祭で賞を受賞した作品らしく演出やカメラワークなんかはなかなかに秀逸です。
ストーリーの方は、単なる監禁ものシチュエーションスリラーかと思いきや、途中から方向性が変わってやや意外な展開に…
と言っても、『ファンタスティック映画祭』系の映画としては、むしろ『ありがち』とも言える展開かな?
ようするに、やや『訳わかめ』な感じの展開になってきてしまいます。
まあ、個人的にこういうノリは嫌いじゃないので良いんですが、若干観る人を選ぶ部分ではあるかもしれません。
特に、無常観の漂う『救いの無さ』は良い感じでしたね。
ただ、独特のテイストに対してサスペンスとしての『緊張感の持たせ方』は『並』程度といった所で、全体的に『怖さ』がそれ程でもないのは残念なところ、もうちょっと『肌をピリピリさせるような緊張感』があれば申し分ない内容だったと言えるので、その辺りは惜しいところです。
総評としましては、純粋にサスペンスとして観ると微妙な感じですが、ファンタジックなノリの鬱映画として観るならば、そこそこ良い作品と言えるでしょう。
この手のファンタスティック映画祭関連の作品としては比較的分かりやすい内容だとも言えるので、こういう暗めのテイストのサスペンス映画が好きな人には、まあ普通にオススメできる一本ですね。