NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヴァレリーの誘惑/ミック・ギャリス」<13 thirteen ~マスターズ・オブ・ホラー2~>(40点/超常サスペンス)

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■■■「ヴァレリーの誘惑/ミック・ギャリス」<13 thirteen ~マスターズ・オブ・ホラー2~>■■■
(40点/超常サスペンス)

 デビュー前の新人の作家向けに無料で貸し出されたアパートへと住む事になった、作家の卵のロブ・ヘネシーは、自分の入る部屋に住んでいた前の住人が自殺したという事を聞かされて不安な気持ちに陥るが、早速部屋で執筆活動を開始する。

 しかし、執筆活動中に何度も『壁を内側から叩くような異音』を聞かされ、白いドレスを着た女性の幽霊を目撃したりという、不気味な現象が次々と発生。

 なんとかドレスの幽霊と会話に成功し、彼女の名前がヴァレリーという事を突き止めたロブは、彼女の正体を探り当てようとアパートの住民たちに話を聞いて回るが…


 世界的に有名なホラー監督が競演する「マスターズ・オブ・ホラー」の2期シリーズである「マスターズ・オブ・ホラー2」より、ミック・ギャリス監督によるサスペンス風味のオカルト映画です。

 ミック・ギャリス監督というと、本「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズのプロデューサーを務める監督でもあり、シリーズでは常連とも言える監督さんな訳ですが…

 代表作としてはザ・フライ2/二世誕生」とか非常に微妙なB級作品が多く、前シリーズでの監督作品も『ちょっと微妙な出来』の作品だったのですが…ぶっちゃけると、本作は『かなり微妙な出来』の作品です。

 本作は、何でもヘルレイザー」でお馴染みのクライヴ・バーカー原作による短編小説の映像化作品らしいのですが、なんと言いますか…『面白い』とか『面白く無い』とか以前に『何じゃコリャ?』って言う感想が最も相応しいような作品ですね。

 いや、お話そのものは『きっと小説で読んだら、そこそこ面白いんだろうなぁ…』ってのは感じ取れるのですが、『原作に忠実に映像化したら訳が分からない作品になりました』みたいな印象が漂う作りで…

 ノリとしては『幻想なのか?現実なのか?』と言った感じの内容だと思うんだけど、全体的に展開が早すぎな上に『理解不能の超展開』が多すぎ…

 ヴァレリーの正体を突き止めるまでのプロセスはそれなりに面白いのですが、その先の展開は最後まで何が何やら良く分かりませんでした。

 原作を読んでる人が観ればそれなりに面白いのかもしれませんが、読んでない人間としては、観終わった後に印象に残るのは『無闇矢鱈と強調されたヴァレリーのエロさ』だけ…

 流石にコレは『原作とする作品の選択を誤った』としか感じられないです。


 総評としましては、何と言いますか典型的な『詰め込みすぎ意味不明』な感じのホラー映画ですね。

 90分ぐらいの尺で、もう少しストーリーを丁寧に描けば印象が変わったかもしれませんが、60分でこの話を描くのは若干無理があったんじゃないかと?

 コレが『単発のB級ホラー映画』なら悪くは無いと思うのですが、「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズの一本としては、どうにも印象が弱い作品と言わざるを得ないですねぇ…

 ビデオ化される際には恐らく2本組とかでレンタルに並ぶのでしょうが、組み合わせによってはあまり観なくても良いレベルの作品かも?