NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「Vの伝染/アーネスト・ディッカーソン」<13 thirteen ~マスターズ・オブ・ホラー2~>(60点/モンスターホラー)

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■■■「Vの伝染/アーネスト・ディッカーソン」<13 thirteen ~マスターズ・オブ・ホラー2~>■■■
(60点/モンスターホラー)

 ビデオゲーム(TVゲーム)好きの少年ジャスティンとケリーは、ある日ふとした事から『度胸試しをしよう』という事になり、『本物の死体』を見る為に、夜中に従兄のジャスティンが働く葬儀社へと忍び込む事となる。

 しかし、葬儀社で『あちこちに残された血痕』と『死体が動き出したような痕跡』を発見した彼らは、恐ろしくなって逃げ出そうとするが、玄関のドアに鍵がかかっており葬儀社から脱出できなくなってしまう。

 そして他の出口を探して霊安所の中をさまよううちに、彼らを更なる恐怖が襲うのだった…


 世界的に有名なホラー監督が競演する「マスターズ・オブ・ホラー」の2期シリーズである「マスターズ・オブ・ホラー2」より、アーネスト・ディッカーソン監督によるモンスターホラー映画です。

 …と言いつつも、ホラー映画ファンの私でもアーネスト・ディッカーソン監督って聞いた事がない名前なんですが、『いったいどんな映画を撮った監督なんだろう?』と思いきや、「ジュース」やら「ダーティ・ボーイズ」やらのクライムアクション映画やアクション映画を撮るのが得意な監督さんのようです。

 って、『全然「マスターズ・オブ・ホラー(ホラーの匠)」と縁の無さそうな監督なのに、大丈夫なの?』と思って観てみた所、意外にもコレがなかなかの良作。

 『少年たちが肝試しに死体を観に行く』という設定からスタンド・バイ・ミー的な話かと思いきや、どちらかというと葬儀社の雰囲気やらイメージやらが何となく「ファンタズム」を彷彿とさせるような感じで『何かが起こりそう』なドキドキ感はなかなか秀逸。

 またネタバレになってしまうのであまり詳しくは書きませんが、序盤はファンタジーホラーかと思って観ていたら、中盤からは雰囲気がガラっと変わるという手法が面白い。

 『単なるゾンビ映画かと思いきや…』という意外な展開や、タイトルの「Vの感染(The V Word)」ってのも「TVゲーム(VIDEO GAME)」の「V」かと思わせておいて…という2重3重のネタの仕込みが非常に凝っている感じです。

 ティーンエイジャーの冒険物』的な雰囲気の強い作品だけに、『怖さ』や『残虐描写』やらはそこまで強く無いのでソッチ方面の期待はしない方が良いですが、ロストボーイ」やらの冒険ホラー系の映画が好きな人なら十分に楽しめる作品でしょう。


 総評としましては、正統派の『怖いホラー』が多い本シリーズの中では『少々変り種』的な印象はありますが、なかなかどうして普通に面白い作品です。

 監督さんの名前はホラーファン的には聞いた事が無いような人ではありますが、意外にも結構楽しめる作品だったのでシリーズとしては『意外な伏兵』といった感じの一本と言えるでしょう。

 最近はティーンエイジャーが主人公のホラーというと『青春スラッシャーホラー』みたいのばかりが主流になっていますが、たまにはこういうタイプの作品も良いものですね。