■■■「パーフェクト・ストレンジャー」■■■
(55点/サスペンス)
特ダネを追う新聞記者のロウィーナは、親友のグレースが惨殺された事から犯人を探る為の事件の調査に乗り出す事となる。
ロウィーナは、以前にグレースが関係を持っていた財界の大物であるハリソン・ヒルが怪しいと睨み、同僚のマイルズと共に彼の周辺を探り始めるが、事件の真相を追ううちに徐々に意外な真実が浮上していくのだった…
『ラスト7分11秒まで、決して真犯人は分からない』というあおり文句で話題を呼んだ、ハル・ベリーとブルース・ウィリスの競演のサスペンス映画。
あおり文句から、凄い緻密に書かれたサスペンスを期待したのですが…何と言いますか『ふーん?』って感じの内容でした。
確かに『お話の組み立て』や『謎の提示の仕方』は悪く無いのですが、変なあおり文句のお陰で、序盤で主人公が追っている謎が『真相には直接繋がらない』事が容易に予想できてしまうため、中盤での緊張感が無く今一つ盛り上がりに欠けるのは辛いところですね…
いつも思うのですが、この手の『あおり文句』で『意外な結末』とかってのをバラしてしまうのは、宣伝効果としてはともかく『映画の面白さ』としては逆にマイナス点になってる事が多いので、どうにかならんものかなぁ?
トリックそのものも『ミステリーとしては割と使い古された感じのネタ』で、まあ、確かにこういう『核心に触れる手がかりを最後まで出さない』という構成ならラスト直前まで犯人は分からないでしょうが、ぶっちゃけ驚きや意外性は少なかったかな?
この程度の謎解きなら、本格的なミステリ作家じゃ無くても書けると思います。
やや冗長な構成ながら、全体的にそれなりには面白いので『退屈な作品』って程では無かったものの、もっと『全ての手がかりがラストで一本に繋がっていく』みたいな謎解きの上手さを見せて欲しかったです。
とりあえず、ブルース・ウィルスの『いかにもスケベ親父』的な演技は、なかなかハマっていて良かったです。
総評としましては、良くも悪くも『普通のサスペンス映画』だなぁ…って感じの作品でした。
絶賛する程の面白さも無い代わりにツマんないって訳でも無く、ミステリとしても『とりあえずは及第点』って感じの一本と言えるでしょう。
別段オススメする程でも無いですが、観て後悔をするような内容でもありませんので、とりあえず『もし、気になるならどうぞ』って所かなぁ?