（５５点／スラッシャーホラー）
葬儀屋で死体補修の仕事を生業とするレイチェルは、ある日、突然現れた覆面の男に襲われて拉致されてしまう。
牢獄のような場所で目を覚ました彼女は、自分が地下賭博クラブである「スポーツキル」の会場へと連れて来られた事を知らされ、参加者同士で殺しあう『殺人ゲーム』をプレイするか、見物人の目の前で『暗殺者』と対決するかの決断を迫られる。
レイチェルは生き延びるために、『殺人ゲーム』をプレイする事を選ぶが…
アンダーグラウンドの『殺人賭博』を題材としたスラッシャーホラー映画。
何でも『殺人賭博というアングラな内容ゆえに、全米で劇場公開未定となった作品とか』ってアオリ文句が付いているのですが、ぶっちゃけ『劇場公開』するには微妙なレベルなので『収益の問題で未定なんじゃ？』とか勘ぐってしまうような内容ですが…
でも『劇場公開』となると厳しいながらも、Ｂ級ホラーとしてはそこそこ良く出来た作品だと思います。
いわゆる『殺人ゲーム』を題材という事で、最初は「バトルロワイアル」みたいなノリを予想してたのですが、そういうノリとはちょっと違って金持ちの好事家達の前で『●●をナイフで殺せ』等の課題を与えられて、参加者（犠牲者）がソレをクリアして行くと言うもので…
内容的には、殺人ゲーム版「カイジ」みたいなノリを想像すると割と近い感覚かも？
『殺人ゲーム』の条件によって殺し方のバリエーションも色々あり、またルールに従わないと『木の館』という殺人トラップの仕掛けれらた迷路に閉じ込められるというソリッドスリラー的な要素もあったりと、なかなかシチュエーションのアイデアとしては面白いと思います。
ただ、低予算故に特撮とかのレベルがショボかったり、演出や映像のセンスがあまり宜しくなくて、面白そうなシチュエーションでも全体的にイマイチ盛り上がりに欠けるシーンが多いのは難点かな？
（特に中盤の『木の館（迷路）』のシーンは無駄に長すぎ…）
あと、設定やキャラの描き込みが浅く、ヒロインの性格がイマイチ良く分からない事や、秘密クラブのルールも判然としないものが多くて、ちょっと釈然としないシーンが多くてラストも投げっぱなしなので、その辺がシッカリしてないとダメって人には向いてない作品かも。
全体の構成なんかは総じて悪く無いですし、アイデアやらシチュエーションやらは面白いものが多いだけに、なんだか非常に勿体無い感じですね。
総評としましては、Ｂ級ホラーとしては十分に及第点なのですが、作り込みの甘さで損をしてる感じの作品です。
もうちょっと予算があって演出が上手ければ、そこそこ名作になったと思うのに…そういう意味ではちょっと惜しい作品かなぁ？
まあＢ級ホラーとしてはそこそこ面白くて、普通に観れる一本だと思いますので、スラッシャーホラーとかが好きな人なら観ておいて損は無いと思いますよ。
個人的には割と普通に楽しめたので、結構オススメです。
ただ、そこまで残虐描写が激しいという訳でも無いですが、シチュエーション的にヤバイせいか『R-18』指定となっておりますので、18歳未満の方はご注意を。
