NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リビング・ブラッド」(50点/オカルトサスペンス)

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■■■「リビング・ブラッド」■■■
(50点/オカルトサスペンス)

 アメリカの辺鄙な森林地帯にあるシャロウバレー保安官事務所に、全身が血まみれの一人の少年が唐突に訪れる。

 警察はこの不審な少年の身元を確認する為に指紋を採取したところ、その少年の指紋は奇妙なことに『7人の人間』の指紋と一致。
 それらは全てが、この付近の森で消息を絶った人々のものだった…

 保安官のジャックは少年の正体を探るべく調査を開始するが、彼の体から溢れる血に触れた人間は『この森で殺された人々』の幻覚を見せられて、次々と狂気へと陥って行く。

 果たして、少年の正体はいったい何者なのか…


 森で殺された人たちの怨念が集まって殺人鬼に復讐するという設定の、オカルトサスペンス映画。

 『森で発見された謎の血まみれの少年と、血液型や指紋が複数の人間と一致する少年の正体は一体何者か?』という導入部分が非常に秀逸で面白くて『良作の予感』を期待していたのすが、蓋をあけてみると『凡作』とは言わないまでも割と『普通のサスペンス映画』でした。

 序盤は『謎の少年の正体を探るサスペンス』として展開し、中盤以降は『連続殺人鬼を追いかける』ような内容へと発展していくのですが、中盤の以降の謎解きの方がメインのストーリーという感じで、『謎の少年』の設定が中盤以降の展開にあまり活かされておらず非常に影が薄くなってしまい、お話の盛り上がり方が尻すぼみになってしまっているのが勿体無い。

 ぶっちゃけ、『謎の少年の設定は無くても良かったんじゃ?』って言うような内容で、殺人鬼とか幽霊とかの設定を欲張って詰め込み過ぎたせいで、どちらも消化不良に陥ってしまった感じですね。

 また、序盤の前振りに対して連続殺人鬼の正体が矢鱈と唐突で、意外性というよりも『誰だよお前?』って感じなのもいただけません。

 演出にこなれてない部分は多々見られるものの、サスペンスとしての謎の提示の仕方やお話の盛り上げ方は割と良好。

 殺人鬼の不気味な『死体置き場』の映像やらは、なかなか迫力があって見所があり、特撮なんかも及第点レベルなので、アレもコレもと欲張らずに『もうちょっと主題を絞り込んで明確に描いていれば結構な良作になった』と思うのですがねぇ…ちょっと惜しい感じの作品でした。


 総評としましては、あちこちに荒削りな部分が多くツッコミどころも多いものの、割と普通に楽しめるレベルのオカルトサスペンス映画だと思います。

 『7人の人間と指紋が一致する謎の少年』等のオカルトサスペンスの設定やらの部分に興味があれば、とりあえず観ておいても損は無い作品だと言えるでしょう。

 やや物足りない部分はあるものの、過剰な期待をしなければそこそこ楽しめる作品だと思いますよ。