NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「THEM ゼム」(35点/生物パニック)

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■■■「THEM ゼム」■■■
(35点/生物パニック)

 南海の楽園であるバン・タオ島にとてつもない数の殺人アリの大群が出現し、人々が次々と襲われるという事件が発生する。

 アリ駆除の専門会社の社長であるレンは、軍と協力してアリの退治へと乗り出すが、対策を立てるうちにそのアリ達が異常なまでに組織化されて高い知能を備えている事に気付く。

 レン達は、アリ達の地上に幾何学模様を描いたり、集団で巨大な1匹の生物のように振る舞う様子に、アリ達が何らかの原因で高い知能を備えるようになったのでは無いかと疑いを抱くようになるが…


 突如として知能を備えた殺人アリの大群と人類との戦いを描いた、SF生物パニック映画。

 生物パニックものの中でも、アリを題材にした作品では時折こういった『知能を備えたアリ』というトンデモ系の作品(有名な所では「巨大アリの帝国」とか)が出てくる訳ですが、本作もそういう流れを汲むタイプのSF風味の生物パニック映画です。

 アリというのは確かに社会性が強い生き物で、『群れ』として一つの生物のようなふるまいをする事から『知能を持ったアリ』というアイデアが出やすいのでしょうが、本作の殺人アリは何と『格子状に連結』する事でスーパーコンピューターのように振舞ったり、集団で合体して『巨大アリ』のような姿に変身したりと、様々なトンデモ技を繰り出してくれます。

 他にもパニックシーンでは、走って逃げてる人間にアリの群れが普通に追いついたり(時速20kmで走れるアリって…)とか、細かいツッコミをしだすとキリが無いぐらいにツッコミどころ満載なのですが…

 何よりも凄いのが主人公達の存在そのもので、ただの『害虫駆除業者』なのに、やたらとカッコいいプラズマガンみたいな超兵器を持ってたり、偵察用のラジコンヘリを装備した米軍の特殊部隊並み戦闘指揮システムを備えていたりと、いったい『どこの軍需産業の回し者なんだ』というぐらいの無茶苦茶なハイテクっぷり。

 そもそも害虫駆除するのに、どんな過酷な事態を想定して装備を整えてるんだ…っていうか害虫駆除ってそんなに儲かるのか?
 あんなカッチョ良い装備を贅沢に整えられるなら、俺も明日から害虫駆除の業者に転職するわ!!

 とまあ、とにかく色んな意味でツッコまずに済む所を探す方が難しいような作品ですが、肝心のお話の方は少々微妙。

 ストーリーは一応は『何故、高度な知能を備えた殺人アリ出現したのか』というのを中心とした謎解き形式なのですが、オチとか唐突な上に強引過ぎて『なんじゃそりゃ?』って感じですし…

 特撮も小道具とかは凝ってる割にはアリのCGの動きが不自然でリアリティが無い為に、『見せ場を作ろう』と言う努力はしているものの、どうにも全般的に盛り上がりに欠ける印象かなぁ?


 総評としましては、そこまで酷評する程の酷い出来では無いのですが『大昔の特撮映画じゃないんだから、もうちょっと捻ろうよ…』と言いたくなるような、どうにもB級の『やっつけ感』が漂う作品でした。

 とりあえず、特撮やらはそこそこ作りこまれている映画ではあるので、ストーリーの細かい所を気にせずにノリだけで鑑賞したら、そこそこ楽しめる作品かもしれません。

 あと『ツッコミ大好き』な人なら、ツッコミ目的の『ネタ映画』として見るならば、そこそこ価値がある一本と言えるでしょう。

 なんせ、オチも含めて『ツッコまずに済むシーンが圧倒的に少ない』ような内容でしたからねぇ。