（３５点／サスペンス）
深夜に脇道を通って帰宅を急ぐとある倦怠期の夫婦が、車のエンジンの故障によって携帯電話も通じないような片田舎の夜道で立ち往生してしまう。
車の修理工が翌朝にならないと来ない事を知った彼らは、偶然にも近くにあった古びた不気味なモーテルで一夜を過ごす事とする。
退屈しのぎに部屋に置かれていたビデオを再生した彼らだったが、そのビデオには残虐な殺人シーンが撮影されており、しかもそのビデオは自分たちの泊まっている部屋で撮影されたスナッフ（殺人映像）ビデオだと気付く。
彼らは自分たちも殺人者に命を狙われるのではと考え、モーテルから脱出しようとするが、周囲は既に不気味な仮面の男たちに取り囲まれており…
「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセール主演による、サスペンスホラー映画。
本作がどんな感じのお話かと言いますと、とある中年夫婦が田舎の安モーテルに泊まったところ、モーテルの支配人が殺人鬼だった…という、本当に『それだけのお話』です。
何と言いますか、イマイチというか『微妙』という言葉がピッタリな作品ですな…
ツマんない訳じゃ無いのですが、とにかく『微妙』。
サスペンスと言っても『殺人鬼の正体は最初から分かっている』ので意外性も何も無いですし、ストーリーにコレといった捻りも全く無し。
被害者も中年夫婦２人のみなのでホラーとしてもコレといった見せ場も無いですし、殺人鬼も矢鱈と軽率で全く魅力が無く、コイツらが今まで『首尾よく連続殺人を犯して事件を隠蔽して来れた』とは、とてもじゃないけど思えません。
というか普通に弱そうな連中なので、ちょっとでも腕っ節の強い客が来たら普通に返り討ちにあいそうな気も…
お話事態は、なかなかスピード感のある展開で途中で退屈するような事は無く、緊張感の持続のさせかたも上手いとは思うのですが、いかんせん『見せ場が全く無い』為に盛り上がりに欠けます。
せめて、もうちょっと犠牲者となる人数が多くて、途中に盛り上がるシーンが多少なりともあれば、それなりに面白くなってたと思うのですが…
（そういや、序盤で『隣室からドアを叩いていた人』は、いったいどうなったの？ 中盤で誰か出てくるのかと思ってたんだけど…）
ラストシーンも、もうひと波乱あるのかと思いきや矢鱈とアッサリとした何のオチも無いような唐突な幕切れだし…作品のテーマ性とか描きたい方向性とかもちょっと不明。
唯一、『タイトルバックとエンディングのスタッフロールの演出がカッコ良いかなぁ？』ってぐらいで、他にコレと言って何も印象に残らないような作品でした。
総評としましては、別に物凄くツマんない訳でも無いのですが、かと言って少しでもオススメするような部分があるかというと、そういう部分も全く無いという、『物凄く微妙で残念な感じの一本』です。
全体のテンポの良さとかは悪く無いので、もうちょっと本作ならではの個性とか盛り上がるポイントでもあれば、結構観れる作品になったと思うのですが…ぶっちゃけ、１ヶ月もしたら『観たことすら忘れている』ような作品じゃないかと…
別にオススメするような内容でもないですが、別に観るのが苦痛な作品でも無いので、ＴＶとかで放映された時にでもダラダラと観る分には良いんじゃないでしょうか？
