NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「NEXT -ネクスト-」(40点/SFアクション)

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■■■「NEXT -ネクスト-」■■■
(40点/SFアクション)

 クリス・ジョンソンは予知能力者だったが、彼に見通せる能力は『たった2分後の未来のみ』という限定された能力で、彼はその能力をマジックと偽って手品師として生計を立てていた。

 彼の能力に気付いたFBIのフェリス捜査官は、ロシアで盗難された『10Kトンの核爆弾』がテロリストによって米国に持ち込まれた可能性がある事から、その捜索の為に彼の能力を用いる事が出来ないかと考え、彼の身柄を確保しようと画策するが…


 たった『2分後の未来のみを予知する事が出来る』という超能力者の主人公がテロを防ぐ為に戦うという、ニコラス・ケイジ主演のSFアクション映画。

 SF小説作家であるP・K・ディックの「ゴールデンマン」という短編がベースとなっているそうですが、『えっ、「ゴールデンマン」ってこんな話だったっけ?』って感じの内容…
 というか『2分後の未来が予知出来る』という設定だけを用いた、全く別のお話ですな。

 ディックの小説は『映画化に恵まれない事が多い』ですが、本作もその典型的パターンと言えるかも…

 『2分後の未来』を予知出来るという設定は面白いのですが、ホントにそれだけの出オチ映画みたいな感じ。
 この設定を、どう膨らませて面白いお話にするのかと期待していたのですが、とにかくイデアが全く昇華されていない印象です。

 別に『超能力が一般的に認知されている世界』という設定でも無いのに、FBIが予知能力者の主人公を確保する為に大量の人員を割いたり、テロリストがその動向を真剣に警戒したりするのは、余りにもナンセンスで説得力がまるで無し。

 主人公が『2分後の未来』を予知して、自分の身に降りかかる危機を脱するという設定は確かに面白いのですが、映画の本編の最初から最後まで通して同じようなパターンなので、ぶっちゃけ途中で飽きてしまいます。

 予告編では『2分後の未来のみの予知で世界の危機を救えるか?』みたいな謳い文句を付けていた気がしますが、主人公は常に目先のピンチを回避しているだけで、別にそんな壮大なストーリーでもありませんし…

 加えて、オチも物凄く中途半端『えっ、そこで終わり?』というような、やたらと投げっぱなしな結末。

 オチを敢えて中途半端にして、『鑑賞後に後を引くようなノリ』にしたかったのかもしれませんが、コレだったら後30分ぐらいストーリーを作りこんで、キチンとオチを描いてくれた方が良かったです。

 アクションシーンとかは、そこそこ良く出来ているのですが、本作の設定からそういうノリを期待してる人って、どれだけ居たのでしょうか?

 個人的には「デッド・ゾーン」のように、超能力はあるけど無力な主人公が『世界の危機を救うために命懸けで奮闘する』みたいなノリを期待していたのですが…

 総評としましては、『設定は面白そう』なんだけど『蓋を開けてみれば凡作』というB級ハリウッド映画にありがちなパターンの作品といった感じでしょうか?

 話の転がし方しだいではいくらでも面白くなったと思うのに、なんとも残念な感じで、期待はずれの一本でしたよ…