NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「地球最後の男たち THE SIGNAL」(55点/SFホラー)

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■■■「地球最後の男たち THE SIGNAL」■■■
(55点/SFホラー)

 ある大晦日の夜に、『謎の電波障害によりTVやラジオの電波が全く使えなくなる』という奇妙な現象が発生する。

 マヤは不倫相手の恋人のベンと共に夜を過ごしていたが、夫に怪しまれない為に自宅へと帰ったところ、夫のルイスがバットで友人を撲殺するのを目撃。

 その他にもアパートの廊下やあちこちで、ごく普通の市民が次々と他人を殺害する現場を目撃する。

 彼女は、謎の電波障害の発生と同時にTVやラジオから発せられるようになった奇妙な『シグナル』を聞いた人々が、異常に粗暴な性格になり他人を殺害していると推測。

 この異常事態から逃れる為に、前日の夜に恋人のベンと話をした駅の『13番ホーム』へと向かい、街からの脱出を試みるが…


 謎の電波の影響で、唐突に人々が殺害しあうようになった世界での恐怖を描いた、SFパニックホラー映画。

 タイトルが「地球最後の男(アイ・アム・レジェンド)」のパクリっぽいですが、当然ながら内容の方は全く関わりはありません。

 というか、別に雰囲気も設定も殆ど似て無いのに、何故にこんなタイトルを付けたのか意味不明ですが、こんな駄作っぽいタイトルの割にはなかなか面白いお話です。

 パッケージだけみるとSFっぽいですが、内容の方はSFというよりは『どちらかと言うとホラー寄りのお話』で、とにかく『悲惨で酷い内容』なのですが、コレがなかなか怖くて面白い。

 『謎の電波の影響で人間がおかしくなる』という設定で、この手の映画でお約束の『誰が異常なのか分からない』という緊張感に加えて、正常な人間も自分の身を守る為の疑心暗鬼によって『狂気が感染したかのようになっていく』という負のスパイラルはホントに『救いようが無い』お話なのですが、その様子をブラックユーモアを含めて描くという演出は、怖いながらもどこか物悲しくて良い味を出しています。

 また、何人かの主人公の視点が切り替わりながら進むという、オムニバスっぽい形式でのストーリーの進行も、どことなくレトロテイストとスタイリッシュなテイストが混在している雰囲気を上手く出していて、なかなか面白いです。

 ただ内容が内容だけに、割と序盤から容易に『救いようの無いオチになるんだろうな…』というのが想像出来てしまうため、そういうノリがよっぽど好きで無ければ『観ててストレスが溜まる要素』になってもいるのて、万人にはオススメし辛い映画と言えるでしょう。

 個人的には結構好きですが、観る人によって評価が真っ二つに割れる作品かもしれませんね…

 あと、タイトルに騙されてアイ・アム・レジェンド」みたいなアクション娯楽映画を期待して借りた人が居たら、どう考えても期待に添えるような内容ではありませんので、その点は要注意ですね。
 (『カッコ良さ』とかは微塵も無い作品ですので…っていうか、普通にホラーとして結構怖いです。)


 総評としましては、万人にオススメとは行かないですが『終末物のSFホラー』が好きならば、結構楽しめる作品なのでは無いかと思います。

 『救いの無い内容』に抵抗が無く独特のノリが受け入れられるなら、割とオススメと言える作品になるかも?

 とりあえず、『ホラー好きならば普通に観ておいても後悔しないレベル』だと思いますので、SF風味の終末ものの作品が好きならば是非。