NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「タワーリング・バトルフィールド」(15点/オカルト)

イメージ 1

■■■「タワーリング・バトルフィールド」■■■
(15点/オカルト)

 ある日、ルーシーは唯一の肉親である兄のダグから『廃ビルとなったステートタワーという高層ビルに謎の明かりを目撃したから、深夜にビルの様子を調べに行く』という奇妙な留守電を受け取る。

 その後、兄がビルに入ったまま音信不通となっている事を知った彼女は、兄の部屋にあった資料からそのビルについて調べるが、そのビルがかつて殺人事件が発生した『オカルト的な噂のある場所』だという事を知る。

 事態を不審に思った彼女は自らも深夜にそのビルへと侵入するが、その場所はかつての住人達が『亡者』と化して徘徊する、異様な空間と化していたのだった…



 幽霊屋敷と化した廃ビルに迷い込んだ一人の女性の運命を描いた、オカルトホラー映画。

 うーむ、これは久々に『何じゃコリャ?』としか言いようが無いような作品ですな…

 「タワーリング・バトルフィールド」なんてタイトルが付いてて、パッケージにも生物学的汚染(バイオハザード)のマークが付いてるので、いかにも『ゾンビ映画です』と言わんばかりの雰囲気ですが、実際にはゾンビ映画でも何でも無い内容の作品です。

 というか、そもそも「バトルフィールド」とか付いてるくせに『バトル』らしきものは殆ど存在せずに、お話としては、兄を救う為に廃ビルへと侵入した女性がビルの中で『亡者と化した住人』に遭遇しながら脱出を目指すという『お化け屋敷もの』っぽい感じの作品ですね。

 ヒロインが出会う亡者たちは、基本的にウダウダと苦しみながら管を巻いてたり亡者同士で殺しあったりしてるものの、そこまで攻撃的な訳でもなくて『怖い』というよりも『不気味』な雰囲気で、どちらかというと異様な雰囲気を楽しむ『雰囲気映画』といった感じの内容と言えるでしょう。

 この『不気味な雰囲気』のテイストは悪くないのですが、非常に低予算故にCGや特撮がイマイチ(というかイマ3歩ぐらい)で映像センスもそこまで優れている訳でもないため、全体的にダラダラとしてダレてしまいがちなのは困り者。

 お話のノリ的には、ダンテの「神曲」の「地獄篇」をオマージュしているのでしょうか?

 『この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ』みたいなお馴染みのセリフが出てきたり、ヒロインが『亡者の巣窟と化したビルを最上階から地上を目指して降りていく』という流れは、なんとなく『プチ地獄めぐり』っぽい感じも…

 ただ、その割にはストーリーは別に「地獄篇」と似てる訳でもなくて、『怪しげな魔術師がビルを設計して云々』みたいな感じのお話で、割と普通のオカルトサスペンスっぽい展開です。

 ちなみに『普通のオカルトサスペンスっぽい』と書いたものの、私は本作のストーリーがあまりにも電波っぽく意味不明すぎて3割も理解出来なかったんですが…これは私の理解力の問題だけですかね?
 とにかく、過去の回想(フラッシュバック)や謎の演出による『意味の分からなさ』ばかりが際立って、どういう風に判断したら良いのか訳の分からない映画でしたよ…


 総評としましては、かなりチープで電波が入った感じ『B級と言わずD級ぐらいのクオリティのお化け屋敷ものホラー映画』って感じの作品です。

 『雰囲気だけはそこまで悪くない作品』なんですが、全体的な映像のチープさや特撮の安っぽさを我慢しつつ、更に『意味の分からないストーリー展開』に耐えてまで観る程の映画かと言われると、流石にちょっと厳しいと言わざるを得ない作品ですかねぇ?
 まあ、どうしても『電波っぽいノリの作品』が観たいというなら止めませんが…

 あと、パッケージに騙されて『ゾンビもののサバイバルホラー映画』だと勘違いして借りてしまわないように要注意ですよ。
 もしそういうのを期待して借りた場合、あまりの『ダラダラと眠くなる展開』に途中でマジギレするかもしれませんよって…