NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビ 2009」(25点/モンスター)

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■■■「ゾンビ 2009」■■■
(25点/モンスター)

 調査船の遭難により海上で漂流中に救出された生物学者シャロンは、自らが勤務するタイラー社にて自分が遭難する前に観てきた驚くべき事実を告白する。

 それは、彼女の乗っていたサルベージ船・ダークスター号が、海図に存在しない筈の無人島で座礁し、その島に居た『動く死体』の群れによって、他の乗組員が全滅させられ、船も爆破されてしまったという驚くべきものだった…

 しかし彼女の発言を信じなかった会社は、彼女を妄想癖のある変人扱いしクビにしてしまう。

 それから6ヵ月後、寺院で尼僧として生活していたシャロンの元へ、タイラー社のポール・バーカーと名乗る人物が現れ、彼女の発言が真実だったと確認されたため、彼女に特殊部隊と共に『謎の島の調査チーム』へと加わって欲しいと持ちかける。

 最初は依頼を断った彼女だったが、島で体験した恐怖から未だに開放されず毎夜うなされる悪夢を振り切る為に、再び謎の島へと向かう事を決意するのだった…


 マレーシアだかどこかのTV映画向けに作られたと思しき、ゾンビ物のモンスターホラー映画。

 パッケージに『イタリア製ホラー』とか書いてたので、マカロニゾンビものかと思って借りたのですが、一応はイタリア製作みたいですが、どうも普通のマカロニゾンビとは毛色が違うようです。

 パッケージとかには何も書かれて居なかったのですが、どうやら『シリーズものの2作目』に当たる作品のようで、おもむろにヒロインが前作の回想を語るようなシーンからお話が始まったので、ちょっとビビりました。

 まあ、特に深い伏線とかが有るような映画でも無いので、前作を観て無くても困るような内容じゃ無さそうですけどね…

 恐らく前作も本作もストーリーは『有って無いような物』だと思われます。

 というか、本作も一言で言ってしまうなら『特殊部隊がゾンビと闘いながら逃げ回るだけの話』で、全く内容らしい内容はありません。

 序盤はソレっぽい導入パートこそありますが、中盤からはひたすら『ゾンビとの戦闘を繰り返しながら退却を行うだけ』という、ホントにソレだけの映画です。

 マカロニホラーらしく『赤ちゃんゾンビ』とか『全裸の子供ゾンビ』とか、やたらと悪趣味な表現が繰り返されますが、特撮がチープなのに加えて、役者が物凄く大根で戦闘に緊迫感が何も無いので全体的にとにかく迫力が無い。

 ゾンビも『その辺の民間人を引っ張ってきて無理矢理キャスティングしたんじゃないか?』と思ってしまう程に、演技にやる気の無いゾンビが混ざってたりして、むしろ微笑ましさすら感じてしまうレベル。

 本編の50%ぐらいが戦闘シーンと『見所が満載』の内容の筈なのに、『戦闘シーンが続く事』がこんなにも退屈に感じる映画ってのも、逆の意味で貴重な作品かも?

 でも逆に普通にゾンビ映画として観ようと思うと、かなりの忍耐力を必要とするレベルですけどね…

 まあ作品のテンポが良いので、途中でダレ難いのは唯一の救いかも?

 あと物凄いネタバレになりますが…ラストシーンで唐突に現れた『巨大な脳』がゾンビをコントロールしてるという『超展開』は、私はホントに意味がサッパリ分からなかったのですが、アレって前作を観てれば何か納得が行くようなものなの?


 総評としましては、普通に『怖いゾンビ映画を観たい』という人は決して手を出してはならないタイプの、超イロモノ系のZ級怪作映画って感じの作品です。

 でも、80年代の『やりすぎエログロホラー』的な物凄く悪趣味なノリ『物凄くチープな特撮』との組み合わせが、ネタ的になかなか笑える部分ではありますので、『Z級のネタ映画』として割り切って観るならアリかもしれません。

 お馬鹿系の悪趣味映画に飢えてて『クソ映画にツッコミを入れまくりたい』という人なら、ネタとして試しに観てみても良いんじゃ無いでしょうか?