■■■「DARK FLOORS ダーク・フロアーズ」■■■
(15点/モンスター)
神経の障害によって入院中の娘のサラの精密検査の為に病院に来ていた父親のベンは、治療によって一向に症状が改善しない事から医師の治療方針に疑問を持ち、娘を病院から連れ出そうとする。
しかし、娘を車椅子に乗せてエレベータに乗ったところ、エレベータが停電で停止し、再び動き出したエレベータは『人が全く居ない奇妙なフロア』で停止する。
エレベータが動かなくなったために、他の乗客達と一緒にその謎のフロアを探索を開始する彼らだったが、その奇妙なフロアは得体のしれない怪物どもが徘徊する『存在しない筈の世界』へと通じていたのだった…
ふとした事から『裏側の世界』へと入り込んでしまった人達が、得体の知れないに追い掛け回されるというモンスターホラー映画。
TV東京の立ち上げた「TX-V」という新ブランドのリリース第1弾という事らしいのですが…
まあ確かに『TV東京とB級映画』というのは切っても切れない印象のあるものだというのは否定しませんが、それにしてもコレは存外に酷い内容です。
映像の雰囲気は非常に良くて、特撮のレベルもなかなか高いので、序盤は『お、コレは結構イケるかも?』と思わせるのですが…
とにかく、映画の中身が無い上にストーリーが物凄く意味不明。
モンスターの襲撃シーンはダレない程度に繰り返されるんだけど、いかんせん物語が意味不明だから緊張感も全く無く、ただただダラダラとした襲撃シーンが延々と繰り返されるだけの作品に…
映像のセンスが良くて特撮も良く出来てるので、全体的な見栄えが良いのは唯一の救いだけど、登場するキャラクターにも魅力が無く、物語に盛り上がりも無いので、正直言って中盤からは観つづけるのが苦痛以外の何者でも無かったです。
オチも『分かったような分かんないような微妙な終わり方』だし…
むしろ『映像センスが良い事』が逆に腹立たしいぐらいに、お話がツマんなかったですよ…
なんでも本作は、フィンランドのホラーコスプレのビジュアル系ロックバンドである、LORDi(ローディ)がモンスター役として主演した作品らしいのですが、とりあえず『この人達をモンスターとして出演させたかっただけだろ!?』って感じの印象しか受けないような内容でした。
一本目からここまで酷い内容だと、流石にこの「TX-V」というブランドはいくらB級マニアでも先が思いやられる感じですなぁ。
総評としましては、こんな中途半端な映画を売り出して『どうしろって言うんだ?』と言う評価しか下しようが無いような、超絶微妙な完成度の作品です。
正直言ってあまりオススメ出来るようなレベルでは無いですが、LORDiのファンの人が縁起物として観ておくとか、TV東京大好きな人がネタとして観ておく程度なら、まあアリかな?って程度の一本だと思います。
ぶっちゃけ、同じ設定で『5分ぐらいのLORDiのプロモーションビデオ』でも撮った方が完成度が高くなったんじゃ無いかと思うのですが…もしかしたら、もともとそういうコンセプト(LORDiのプロモーション用に撮ったPV畑の人間が作った作品)なのかなぁ?
とりあえず、普通にモンスターホラーが観たい人はスルーしてしまっても問題が無い作品ではないかと…