（５５点／サスペンス）
殺人現場や死亡事故現場の清掃業を営む元刑事のトムは、ある大富豪の豪邸で殺人現場の
清掃を依頼される。
いつものように殺人現場の清掃を完璧に行ったトムだったが、実はその清掃依頼は
偽者で、更にその屋敷の主人が行方不明になったという事が判明し、彼は事件の
容疑者となってしまう。
彼は自分を陥れた犯人を捜す為に、警察に頼らずに独自に調査を開始するが…
殺人現場の清掃人である主人公が巻き込まれるトラブルを描いた、レニー・ハーリン監督によるサスペンス映画。
レニー・ハーリン監督というと「ダイ・ハード」とか、ホラー好きなら「ディープ・ブルー」その他で、
なんと言うか『そこそこのレベル』の作品を撮るんだけど決して『そこそこ』以上では無い…って
感じの監督さんな訳ですが…
まあ、本作も当たらずも遠からず、そういったレベルの作品ですな。
サスペンスの完成度としては『まあそれなりのレベル』といった感じで、パッケージとかを
『驚愕の結末が！！』みたいな事を書かれていますが、少しでも洞察力がある人なら『お話の序盤から
容疑者が２～３人に絞れてしまう』ので、別に衝撃でも何でもありません。
殺人に特に凄いトリックが使われている訳でもなく、主人公が殺人現場を清掃しちゃったせいで
事件がややこしくなっているだけなので、まあ『ミステリーとしての驚き』は少ないですね。
どちらかというと、人間関係のドラマがメインになっており、主人公の過去や主人公の娘との
関係とかが重視して描かれており、 主人公周りのキャラの背景やキャラクターの描きこみが面白く
て、むしろそちらの方がお話に深みを持たせてて良く出来ている部分だと言えます。
その逆にトリックの部分とかは特に面白みは無くて、トリックもののミステリーとして鑑賞
した場合は『ちょっと物足りなさの残る印象』なので、『どんでん返し』
系の映画として売るのは、ちょっと売り方が間違っているんじゃないかなぁ…と
思いました。
総評としましては、そこそこ面白いんだけど意外性は少ないという『普通レベルの良く出来たサスペンス映画』
ってのが正直な感想ですね。
単純に『人間ドラマが絡んだサスペンス映画』が好きな人ならば、結構楽しめる作品だと
思いますので『サスペンス劇場』系のお話とかが好きならば、なかなかオススメなタイトルだと
思います。
逆にパッケージに釣られて、突き抜けたレベルの『凄い展開』とか『凄いトリック』に
期待してると肩透かしを食らってしまう場合があるので、要注意かもしれませんね。
