（５０点／オカルト）
家庭内暴力に耐えかねて警官である夫を殺害して逮捕されたマーニーは、『発信機付きの足かせ』を付けられて自宅から100フィート（30m）以上離れる事が出来ない状態で拘禁される事となる。
しかし自宅で過ごすうちに彼女は『自分以外の何者か』の気配を感じるようになり、やがて殺害したはずの夫が彼女の前に姿を現すようにようになった事から、その恐怖によって彼女の心は徐々に蝕まれていくのだった…
自分の身を守る為に夫を殺害した女性が夫の幽霊に生命を脅かされるという、オカルトサスペンス映画。
最初にパッケージやらを観て『100フィートの行動半径』とかの設定を聞いた際に、てっきりサイコサスペンス風のシチュエーションスリラーかと思っていたのですが、ごく普通にオカルト映画でした。
序盤の緊張感のある演出やら、怖がらせ方の部分はなかなか上手いと思いますし、特撮のレベルもそこそこでオカルト映画としては割と良い線を行ってると思うのですが、いかんせん『それ以外の部分』が非常にイマひとつなのは残念なところ。
特に『自宅から30m以上離れることが出来ない』という面白いシチュエーションを作っておきながら、全体的に設定が今ひとつ活かしきれてない感じで、設定がストーリーの面白さに繋がっていないところが勿体無い。
もっと、行動半径を制限される事によって発生する危機感や、自宅から離れられない事によって『精神的に追い詰められていくようなシチュエーション』がシッカリと描かれていれば面白かったと思うのに、どうにもその辺がアッサリしすぎです。
ぶっちゃけ、この『自宅から30m以上離れることが出来ないってシチュエーションは無くてもストーリーが成立してたんじゃないの？』ってレベルなので、もうちょっとどうにかならなかったものかなぁ？
（結局、行動半径を制限されて困るのは『幽霊が出る自宅から離れられない』って理由だけですし…）
あと、オチとかの付け方は割と上手いと思うのですが、途中のストーリーがちょっと冗長でダレ気味になってしまったのも難点かも？
総評としましては、設定の特殊さの割には内容の方は『特にコレといって特徴の無い、ありきたりなオカルトサスペンス映画』って感じの作品です。
全体的にそこそこ完成度は高い作品ですので、『その手の作品が好きならば観ておいても損をするような映画では無い』ですが、『敢えてこの作品を推す程の魅力も感じられない』ってのも正直な所かなぁ？
設定だけを聞いて『シチュエーションスリラー的な作品』だと期待して見ると、かなり肩透かしを食らわされる内容ですので、そういった作品を求めている人は勘違いして借りてしまわないように要注意です。
