■■■「パラノーマル・エンティティ」■■■
(45点/オカルト)
フィンリー一家は父を交通事故で失ってから、母親と長男と長女の3人で閑静な住宅街の一軒家で暮らしていたが、ある日を境に深夜に奇妙な怪奇現象が発生しはじめる。
彼らは怪奇現象の原因を突き止めるために、、超常現象の研究者であるエドガーのアドバイスによって、家の要所の5箇所に暗視カメラを設置し、更に長男のトーマスがハンディカメラで屋内の様子の撮影を開始するが、怪奇現象は留まることなく日ごとに激しさを増して行き…
『アメリカのある一家を襲った心霊現象を記録したビデオ』を元に作成されたという設定の、なんちゃって実録風オカルトホラー映画。
一応『とある家庭で家族と霊能者が殺されるという惨殺事件が発生し、殺人犯として長男が逮捕されるが、事件の後に屋根裏部屋で発見された実録フィルムが公開されたもの』という感じの設定となっているのですが…
まあ、早い話が「パラノーマル・アクティビティ」のヒットにあやかって作られたパクり映画って感じの作品ですな。
お話の内容に関しては、切り口や設定がちょっと違うだけで、殆ど「パラノーマル・アクティビティ」そのまんまって感じです。
つか、オープニングの展開やらがあまりにも「パラノーマル・アクティビティ」にソックリだったので、一瞬『何か関連のある話なのかな?』と勘違いしてしまうぐらいの豪快なパクり作品ですな。
ただ、元の映画が物凄い低予算映画なので、パクり映画である本作の方が映像の画質やカメラワークが良くて、むしろ『オリジナルよりもお金がかかってるんじゃないか?』という矛盾っぷりには、ちょっと笑ってしまいました。
でも映像が良くなったお陰で、オリジナルよりも『作り物っぽさ』が出てしまい、リアリティが感じられなくなってしまって居るのは、なんというか諸刃の剣って感じですが…
ストーリーに関しても殆どオリジナルと同じような感じで、主人公達が心霊現象を記録していったところ、日を追う毎に現象が激しさを増して行き…というような展開。
というか謎解きの流れやらは、むしろこちらの方が凝っている印象すら受けたのですが、本編のオープニングで設定として『ネタバレ』をやらかしているので、『オチが最初から分かってしまっている』せいで全体的に緊張感が薄いのは難点かなぁ?
あと、中盤がちょっとダラダラしすぎて観てて眠くなってしまったのと、ラストが超展開すぎて全く付いていけなかったのと…といった感じで、やや構成に難がある部分が散見されたので、やっぱオリジナルは全く超えられてない印象ですかね。
特にラストシーンの見せ方は、もうちょっと『どうにか出来なかったものか?』と思いましたよ。
(オリジナルはラストシーンの見せ方が非常に良くて、印象に残る映画だったので。)
後、余談ですがタイトルの「パラノーマル・エンティティ」=「エンティティ 霊体」というネタなのか、ちよっとだけ『お色気シーンっぽい部分』があるのがオリジナルとの違いかなぁ?
総評としましては、『なんちゃって実録系』としては出来は悪くない作品だと思うのですが、オリジナルと余りにも一緒の部分が多いので『それだったらオリジナルの「パラノーマル・アクティビティ」を観た方が良いだろ?』って感じの作品です。
オリジナルを既に観た人が『ネタ映画』として楽しむ分には良いですが、観た事が無い場合は素直に『オリジナルがビデオ化されるのを待った方が良い』かも?
万が一、オリジナルと勘違いして借りてしまった人が居た場合は、ご愁傷様って感じですが…一応、オリジナルの方が面白いと思いますので、本作の雰囲気がそこそこ楽しめたならオリジナルも鑑賞しておく事をオススメしますよ。