NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エンド・オブ・フューチャー」(55点/SFパニック)

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■■■「エンド・オブ・フューチャー」■■■
(55点/SFパニック)

 近未来。
 資源の枯渇問題に直面した人類は、樹木からエネルギーを抽出するシステムを開発し、『エデン・ログ』という地下コロニーで生活を続けていた。

 しかし、地下プランテーションで働く労働者たちが待遇の改善を求めて反乱を起こす。
 その頃、同時に植物が突然変異を起こし、植物の樹液に触れていた地下の労働者層はモンスターのような姿と成り果ててしまった事によって、『エデン・ログ』の地下施設は壊滅してしまい、廃墟のような状態へと化してしまうのだった…



 エネルギー枯渇問題によって管理社会と化した未来でのパニックを描く、フランス製のSFディザスターパニック映画。

 パッケージやらタイトルだけ見ても、どんな映画なのかサッパリ分からないですが、ジャンル的には一応はパニック映画になるのかな?

 人類が裕福層によって管理された未来の『管理社会』をモチーフとしているので、どちらかというとディストピア映画』って印象も受けますが…
 雰囲気的には、タルコフスキー監督の「ストーカー」とかと似たような独特の雰囲気を持つ作品で、フランス映画らしい『雰囲気映画』って表現が一番シックリ来るかも?
 (まあ、タルコフスキーはフランス人じゃないですが…)

 映画の内容に関しては、なんというか『ちょっと難解な作品』って感じですかね…

 何が難解かって特に序盤の展開が分かりづらく、最初の30分ぐらいは『独特の世界観を持ったSF設定』『雰囲気重視のフランス映画的演出』『主人公が記憶を失って一人でさまよい歩いている』という3重の分かり難さの効果によって、本気で何が何やらサッパリ分かりませんでしたよ。(笑)

 お話的には、ストーリーが進むにしたがって『世界背景』や『この世界で何が起こったか』といった事や『主人公の秘密』とかが徐々に明らかになっていくという作りで、ストーリーテリングとしてはなかなか面白い印象です。

 また、モノクロ的な配色を意識した美術センスや映像作りの雰囲気も良くて、退廃的な雰囲気やら世界観やらが上手く描けているのも良い感じ。

 ただ、最初にも言ったようにストーリーに難解な部分が多く、作風としても『多くを語らない』ような作りなので、『え、結局それってどういう事なの?』と思ってしまう部分もボチボチ。

 特に自分には、ラストのオチの意味が良く分からなかったのですが、コレは単なる私の理解力不足のせいですかね…

 あと個人的に、わざわざ『労働者をモンスター化させて出現させた意味』も良く分からなかったのですが…エンターテイメント性を高めるために出したのかもしれませんが、何か描こうとしている方向性と設定が今ひとつ一致してなさそうな違和感を感じたのは自分だけでしょうか?
 (基本的に『雰囲気映画』なんだから、モンスターとかの直接的表現は無くても良かった気がする


 総評としましては、良くも悪くも『退廃的SF』な世界観や雰囲気を楽しむための『雰囲気映画』って感じの作品ですね。

 好きな人は結構好きな作品だと思いますが、逆にハリウッドメジャー的な『分かりやすい作品』が好きな人には、ちょっと退屈な映画かもしれません。

 ディストピアSF』や『廃墟もの』の雰囲気が好きな人ならば、なかなか楽しめる作品だと思いますので、そういうジャンルが好きな人なら観ておいても損は無いでしょう。

 ただ、そういうジャンルの特徴として『観てる最中についつい眠くなってしまう』場合が多いので、寝オチには注意です。
 (自分は途中で1回寝てしまいました。(笑))