NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラノーマル・ヴィレッジ」(30点/スラッシャー)

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■■■「パラノーマル・ヴィレッジ」■■■
(30点/スラッシャー)

 コロラド州の雪山にスノーボードに来たオーエンらの3人の若者は、ペンシルヴァニアを経由して帰る途中の雪山で、道に迷ったあげくに事故を起こして遭難してしまう。

 彼らは怪我をした仲間を車に残してさ迷ううちに、人里は離れた山の中で一軒の家を見つけた彼らは、そこでイヴァンと名乗る地元の猟師に助けられる。

 しかし、イヴァンの協力を得て怪我をした仲間を助けに向かった彼らは、重症を負っていた筈の仲間が忽然と姿を消している事を発見。
 更に、彼らを執拗に外に出すまいとするイヴァンの態度に、何か不審なものを感じるが…



 食人集団の住む集落に迷い込んだ若者達が体験する恐怖を描いた、カニバリズムもののスラッシャーホラー映画。

 『パラノーマル』なんてタイトルに付いてますが、別にパラノーマル(超常的)な要素なんかは特に無くて、いわゆる監禁系のスラッシャーホラー映画ですな。

 パッケージとかには『容赦ない人体損壊描写』とか書かれてましたが別にゴア描写の方もたいした事は無く、割と普通の(というより、むしろ地味な)スラッシャーホラーといった感じの作品です。

 お話の流れとしては『雪山で遭難した若者達が辿り着いた小屋の住人が実は…』といった感じのストーリーなんですが、序盤から中盤の『不気味な雰囲気の出し方』なんかはなかなか上手くて期待感を煽る作りなのですが、肝心の残虐パートが展開が冗長な上に残虐表現もたいした事がなくて、どうにも退屈で仕方の無い作り。

 食人集団の連中が、これからさも凄い展開がありそうに『本当の苦痛はこれからだ』みたいな事を言うので、捕まえた人間を徹底的に痛めつけるのかと思いきやそうでもなく、中途半端に痛めつけた後にわざと雪山に逃がして狩り立てようとして反撃されてみたりとか、『お前らは、いったい何がやりたいのか?』とツッコミたくなるレベル。

 オープニングで出てきた『不気味な拷問器具』みたいなものも本編では全く使用されないですし、ストーリーが佳境に差し掛かれば差し掛かるほど中身がツマんなくなっていくという、なんとも不思議な作品です。

 というか、序盤の事件が起こるまでのプロセスの方が面白くて、残虐シーンに突入してからの方が『ツマんなくて眠くなってしまう映画』なんて、私は初めてお目にかかりましたよ。

 特撮のレベルとかはそこまで低い訳じゃ無かったのですが、残虐シーンを長く描くだけの予算が足りなかったのか、はたまた監督が徹底して残虐シーンを描くだけの根性が足りなかったのか…

 雰囲気やシチュエーション的には良い部分もあるので、見せ方さえシッカリとしてれば面白い作品になったのでは無いかと思うのですけどねぇ。


 総評としましては、面白そうな設定の割には中身はイマイチで『どうにも退屈な映画』ってのが正直な感想です。

 パッケージを観る限りは割と期待できる作品かと思っていたのですが、中身の方はなんとも残念な出来の作品でしたよ。

 監禁ものとしてもカニバリズムものとしてもイマイチですが、まあ雰囲気だけは悪くないので、そういう『旅先で旅行者が監禁されて』みたいなシチュエーションが好きならばお好みで…って感じでしょうか?

 ちなみに、「パラノーマル~~」とかってタイトルが付いてますが、パラノーマル・アクティビティ」とかとは全く関連の無い(というか似ている部分すらない)作品ですので、そっち方面で騙されて借りてしまわないように要注意ですよ。