■■■「フェーズ6」■■■
(55点/パニック)
近未来、致死率100%の治療不能の未知の殺人ウィルスが蔓延した世界。
粗暴な兄のブライアンと心優しい弟のダニーの兄弟は、恋人たちと一緒に感染を逃れるために田舎道を車で逃走していた。
しかし、トラブルに巻き込まれて車を故障させてしまった彼らは、路上で出会った感染者の親子と共に行動する事となり、その親子から『ファーミントンにある緊急対応センターウィルスに対する新薬がある』という噂を聞いた事から、その場所を目指すこととなるが…
未知の殺人ウィルスが蔓延した世界を生き抜こうとする若者たちの運命を描いた、パニックホラー映画。
内容としては『感染したら必ず死亡する殺人ウィルスが蔓延して文明が崩壊した世界で、人間たちは互いの事を信用出来なくなり…』というような感じのお話な訳ですが…
分かりやすく言ってしまうならば『「28日後....」を物凄く地味にしたような話』って感じの作品ですかね?
「28日後....」とかと違って感染者がゾンビになって襲い掛かってきたりする事は無いですし派手な要素も殆ど無いのですが、極限状態と人間不信から来る人間の内面の恐怖とか、悲壮感や絶望感といったものはなかなか上手く描かれていると思います。
ただ、お話そのものは割と面白いんですが、とにかく盛り上がる要素があまりにも少なくて、全体的に『物凄く地味な印象』しか受けられないのは残念なところ。
また、心理的に『辛い部分』や『悲しい部分』はあるのですが『怖い要素』は殆ど無くて、病気に感染することに対する怖さが殆ど伝わってこないため、今ひとつ緊迫感が薄いんですよね。
もっと、病気に感染した人間の『悲惨な末路』みたいなものをシッカリとエグく描いて、『感染することの怖さ』を上手く表現してればもっと面白くなっていたかも?
あと、ストーリー的にも『だから、結局どういう事なんだ?』って感じの終わり方ですし、もうちょっと全体的にエンターテイメント的な要素があっても良かったんじゃないかなぁ…
キャラクターの心理描写とかはかなり良く出来ており、『2人の兄弟の辿る末路』みたいな展開は悪くないと思うので、その辺がちょっと残念な作品でしたよ。
総評としましては、伝染病もののパニックサスペンス映画としては『そこそこ良く出来た及第点レベルの作品』だとは思います。
ただ、とにかく地味な作品ですのでエンターテイメント的な『盛り上がる要素』を期待していると、どうにも肩透かしを食らわされる作品かも?
「ゾンビ」とか「28日後....」とかの『心理的に追い詰められる要素』が好きな人であればそこそこ楽しめる作品だと思いますので、そういう要素が好きな人ならば観ておいても損は無い作品だと言えるでしょう。
逆に、シッカリとした起承転結や盛り上がる要素を期待している人には、ちょっと辛い内容かもしれません…