NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ウォーカー」(55点/アクション)

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■■■「ザ・ウォーカー」■■■
(55点/アクション)

 大戦争によって文明が崩壊した未来世界。
 『ウォーカー』と呼ばれる一人の男が、世界にたった1冊だけ残った『本』を持って、西へと向かって旅を続けていた。

 彼が世界を支配するために必要な『本』を持っているという事を知った地域の支配者であるカーネギーは、その『本』を手に入れるためならず者たちを率いて『ウォーカー』を襲撃し、その『本』を手に入れようとするが…



 戦争で文明が崩壊した世界で一冊の『本』を巡って繰り広げられる戦いを描いた、近未来SF風アクション映画。

 『文明崩壊後の世界で一冊の『本』を届けるために旅を続ける男』みたいな設定を聞いた時は、てっきりもっとディストピアSFっぽい話なのかと思ってましたが…

 実際の中身の方は、文明崩壊後の荒廃した世界でデンゼル・ワシントンがナイフと銃で大暴れするという、「マッドマックス2」というか「北斗の拳」というか、そんな感じのお話でした。

 内容の方は、基本的にアクション寄りで『あんまりストーリーの無いの映画』って感じのお話ですかねぇ…

 世界を支配できる『本』の正体は割と序盤で明かされる印象で、特に意外性とかは薄い感じ。(まあ一応、どんでん返しっぽいものはあるのですが…)
 ただ、世界観とか世界設定の説明が一切無い状態でネタが明かされるので、ちょっと置いてきぼり感があるのは難ですね。

 主人公が『西』を目指す理由も何の前フリも無く明かされるし、全体的にどうにも説明不足の部分が多い印象です。

 あと、終盤でやたらと宗教臭い展開になってしまうのも、ちょっと辟易とさせられる感じかな?

 キャラクターに関しても、主人公とヒロインが今ひとつキャラが立っておらず、逆に悪役のゲイリー・オールドマンが良いキャラを出しているのですが、この悪役がラストで割と散々な目に遭うので『そんなフルボッコにされるほど悪逆非道な事をしたか?』と、逆に悪役に同情してしまって微妙な気分になったのは自分だけですか?

 ただ、アクションシーンは良く出来ているし、モノクロを基調とした写実的な映像センスとかも良いので、全体的に観ていて退屈はしないですね。

 序盤~中盤にかけて『スローでカメラを回す』ような演出が妙に多い上に、お話の展開が割と遅いので、どうにも冗長でダレる印象を受けてしまったのは残念なところ。

 どうせ大したストーリーの無い作品なら、序盤をもう少しシェイプアップして全体で90分程度の尺に収まってれば、もっとサクっと観れて良かったかも?


 総評としましては、予想以上に変哲も無い『普通のアクション映画』って感じの作品ですねぇ…

 アクションや映像センスは並以上のレベルですので、世紀末の文明崩壊後の世界とか、そういった世界観やアートワークやらが好きならば、それなりに楽しめる作品だと思います。
 逆に宗教臭い内容に拒否反応がある人は、ちょっと微妙な感じかも?

 まあ、良作とまでは行かないですが凡作よりは上のレベルの作品ですし、『世紀末でバイオレンスでヒャッハー』な感じのお話が好きであれば普通に楽しめる映画ではあると思いますので、そういうノリが好きならば観ておいても損はしない一本じゃないでしょうか?