■■■「メガ・ピラニア」■■■
(30点/モンスター)
ベネズエラのオリノコ川で、住人が次々と謎の変死を遂げるという事件が発生。
アメリカの大使がベネズエラの外相と共にボートでのクルージング中に死亡した事から、米国の特殊部隊員であるジェイソンは原因を調査するために、現場へと派遣されることとなる
アマゾンへと到着した彼は、現地で出会った生物学者のサラに事件の原因は自分達の研究していた『遺伝子操作されたピラニア』が原因で、24時間後にはピラニアが巨大化して更に惨劇が拡大すると告げられる。
しかしベネズエラの軍部は、実験の隠蔽をするために事件を否定し生物学者たちを逮捕してしまい…
遺伝子操作によって巨大化したピラニアの群れが人々を襲うという、モンスターパニック映画。
まあ何と言いますか、特に説明の必要も無いような『タイトルどおりの映画』ですね。
最初は50cmぐらいのピラニアが登場するので、確かにデカいけど『メガ』って程じゃ無いよなぁ…と思いながら観てたのですが、本編が進むごとにサイズがどんどんデカくなって、最終的には5m~10mぐらいのクジラみたいなサイズの巨大ピラニアの大群になってしまうというムチャクチャな展開に笑いました。
いやいや、いくら遺伝子操作でデカくなると言っても、ピラニアが24時間でそんなムチャクチャなサイズには成らんだろう。
クライマックスでは、このピラニアが水中からジャンプしてきて人間を襲ったりするのですが、海岸から巨大なピラニアが飛び出してきて近くの家屋やビルの壁面に突き刺さっているシーンは、シュールすぎて怖がらせたいのやら笑わせたいのやら…
集団で襲って戦艦や潜水艦を撃沈してしまうという暴走っぷりも笑えるのですが、流石にピラニアが5mになったところで戦艦を撃沈するのは無理があるだろう…って思うのは自分だけ?
(その理論で行けば、シャチの群れが本気になったら戦艦を撃沈できる事になっちゃうし…)
という感じで『設定や絵面的なインパクト』は凄い映画なんですが、肝心のお話の方はツマんないというか、ぶっちゃけ『どうでも良い』レベルの内容。
お話がとにかく『説明的』でテンポが早く、盛り上がる暇も無く次のシーンへ次のシーンへと話が進んでいくので、何か『物凄く早口であらすじだけを説明されている』ような印象を受ける作品です。
最初の15分で、主人公がモンスターに遭遇してモンスターの正体も出現理由も全てがつまびらかにされるという、超スピーディーな展開には流石にちょっと度肝を抜かれましたよ。
そして展開が速い割には、映画そのものがちっとも面白くないのは困りもの。
最初から最後まで同じようなノリで『説明的なシーン』を延々と見せられるので、途中で飽きてきてしまい『展開がスピーディなのに途中で眠くなってしまう』という訳の分からない事態に…
(まあ、『展開が遅くてツマんない』よりはマシなんですけどね。)
ストーリーも無理がありすぎで、ラストは『ピラニアたちを共食いさせて全滅させる』という展開なんですが…
共食いだとどうやっても『最後の一匹』が生き残ると思うんですが、お話の途中で『両性具有で一匹でも繁殖できる』って設定があった筈なのに、『それで解決した事にして良いの?』と突っ込みを入れたくなったのは自分だけ?
途中でロマンスらしきものも全く無かったのに、ラストで唐突に引っ付く主人公とヒロインも謎ですし、なんというかストーリーにやっつけ感がありすぎて『なんだかなぁ…』って感じでしたよ…
総評としましては、巨大ピラニアのインパクトは凄いんだけど内容の方は恐ろしく『どうでも良いレベル』の、ホントに『インパクトだけの映画』って感じの作品ですね。
まあ、ネタ映画として楽しむ分にはアリだと思いますが、マジメに面白い生物パニック映画が観たいならば、スルーしてしまっても良いレベルでは無いかと…
D級ぐらいの完成度のバカ映画が大好きで、何かそういうネタを求めているというのであればオススメですので、そういう方向性に期待しているのであればチェックしておいても損は無い作品だと思いますよ。