NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「SHOT [ショット]」(45点/サスペンス)

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■■■「SHOT [ショット]」■■■
(45点/サスペンス)

 人里を離れた山中にある古い屋敷をリフォームして売却する事となったローラとその父のウィルソンは、叔父のネストらと共に家のリフォームを行うために前の夜からその家に泊まりこむ事となる。

 しかし、その日の夜に屋敷の中で不審な物音を聞いた彼女は、父へと2階の様子を調べて来て貰うようにと頼んだところ、調べに行った父が何者かによって惨殺されているのを発見。

 自分が屋敷に閉じ込められた事を知った彼女は、何とかして襲撃を逃れて屋敷から脱出しようとするが…



 古い屋敷に訪れた親子が正体不明の何者かに襲撃されるという設定の、POV風味のシチュエーションスリラー映画。

 いわゆる最近流行のPOV(主観視点映像)っぽい作りを売りとした作品で、日本ではあまりお目にかからないウルグアイ製のホラー映画』という事ですが、ノリ的には欧州系のホラーと印象が似てるかも?

 ストーリーとしては、とある人里離れた廃屋に訪れた親子が『正体不明の何者か』の襲撃を受ける…という感じのお話で、映像がいわゆる『主観視点風のカメラ』で撮られているのですが、視点の映像が『ヒロインを少し離れた場所から見つめている』みたいな映像になっており、序盤は誰の視点なのか分からずにちょっと混乱しました。
 (最初はもう一人、別の登場人物が居るのかと思っていた。)

 本作の特徴として、本編の87分間の映像が全て編集なしの『ワンショット映像』で撮られていると言う事。

 実際には『画面が暗転するシーン』や『高速で視点が移動するシーン』とかを編集してワンカットっぽく見せているのかもしれませんが、この構成はなかなかリアリティや緊迫感があって面白いですね。

 ヒロインの『追い詰められている』というイメージも良く伝わりますし、POVの表現手法としてはなかなかに個性的で良い感じだと思います。

 ただ『未編集の映像』という事で、序盤の展開とかが少し間延びしている感があり、ちょっとダラダラした印象を受けたのは残念なところかなぁ…

 あとストーリー展開は『意外』って言えば意外な展開なのですが、終盤の展開は『意外』というよりも『何じゃそりゃ?』って感じで、ちょっと理不尽さを感じてしまったのは難点かも?

 でも理不尽ながらも作品の雰囲気なんかは悪くなくて、ラストの『ちょっと物悲しい感じのエンディング』とかも良く出来てて、全体的に悪くない印象の作品だとは思いました。


 総評としましては、いわゆるPOV風味の作品としては悪くない出来の『雰囲気は凄く良く出来た映画』って感じの一本です。

 良作と言うほどに出来は良くないのですが、『全編がワンショット映像』とか面白い試みを取った作品ではあると思うので、POV要素も含めて『実験的な部分』のある作品が好きであればなかなかに楽しめる作品だと言えるでしょう。

 廃墟の『不気味な雰囲気』を楽しむ映画としても悪く無いですし、強く推すほどの内容では無いものの、そういった要素の好きな人であれば割とオススメの作品だと思いますよ。