NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マッドネス・ヒル」(45点/スラッシャーホラー)

イメージ 1

■■■「マッドネス・ヒル」■■■
(45点/スラッシャーホラー)

 1969年のバージニア州
 ヒッチハイクで旅をする6人の若者たちは、道中の修理工場で偶然に出会ったクインティンという若者のトラックに乗せてもらってワシントンを目指す事となる。

 しかし、彼のトラックが故障してしまった事から一緒に人里離れた丘を越える道を徒歩で移動する事となるが、隣町までかなりの距離があるため野宿を覚悟していたところ、丘の上で偶然にも一軒の寂れた農場を発見。

 農場の納屋を無断で借用させて貰おうとするが、その屋敷には狂気に捕らわれた恐るべき一家が暮らしていたのだった…



 とあるハイカーの若者たちが田舎町で狂人の一家に襲われるという設定の、ジョージ・A・ロメロの息子が監督したというスラッシャーホラー映画。

 ジョージ・A・ロメロの息子であるG・キャメロン・ロメロが監督したという事で話題になっているスラッシャーホラー映画という事なんですが、ぶっちゃけて言うと良くも悪くもありきたりなレベルの『ごく普通のスラッシャーホラー』って感じの作品です。

 特に出来が悪い作品では無いのですがとりたてて評価する程の部分も無く、正直言って『ロメロの息子』という看板が無ければ、殆ど話題にも上らないであろうレベルという感じ…

 特撮とか映像のレベルは割と高くて、残虐シーンとかはそれなりに見応えがあるのですが、全体に淡々とした印象で描かれるシーンが多くて『こだわりやフェティッシュさを感じさせる部分』が無いのは残念なところ。

 映像表現なんかも『スタイリッシュに見せようとして失敗してる』という感じのシーンが多く、どうにも全体的に野暮ったい印象を受けてしまうのは辛いところですね。

 キャラの立て方も今ひとつで、『狂気に捕らわれた一家』の表現があまりにも説明的で、かつ紋切り型すぎて『どこかで見たようなキャラクター』にしか見えないため、本作ならではの個性が感じられないのは残念な部分です。

 ラストでちょっと『意外なオチ』が出てくるものの、『だから何なんだ?』って感じのオチでインパクトも弱いですし、オチへの前振りも単純に『ストーリーが分かり難くなった』だけで効果的とも思えません。

 とまあ、なんか矢鱈と不満ばかりを挙げてしまいましたが、映画として全体を見ると『B級ホラーとしては及第点』を満たしている部分が多くて、そこまで酷い作品では無いんですよね。

 ただ、『狙った部分』や『個性を出そうとした部分』で空回りしてしまっている感じで、どれもが中途半端になって『昇華しきれていない作品』という印象を受けたので、もうちょっと明確に描きたい方向性やビジョンを持って作ってれば、もっと面白い作品になったのでは無いかと思うんですけどねぇ…


 総評としましては、何と言いますか『可も不可も無いレベルのB級スラッシャーホラー映画』って感じの作品ですねぇ。

 別に悪い作品では無いですが、『ロメロの息子』という看板に期待して観ると肩透かしを食らってしまうかもしれないので、あまりそういう事を気にせずに観ればそれなりに楽しめるレベルと言えるでしょう。

 特にコレといってオススメするほどの内容でも無いですが、スラッシャーホラーとしては及第点を満たしている作品ではあると思うので、その手の作品が好きならば話のネタ程度に観ておく分には損はしない一本だと思いますよ。