NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リーカー 地獄のモーテル」(55点/オカルト)

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■■■「リーカー 地獄のモーテル」■■■
(55点/オカルト)

 アメリカ西海岸で行われるパーティに行くために砂漠のハイウェイをドライブしていたトリップらの大学生の5人のグループだったが、砂漠の真ん中を走行中に車が故障を起こしてしまい人気の全く無いモーテルで立ち往生する事となってしまう。

 ラジオで周辺で大事故があったせいで交通が封鎖されているらしい事を知った彼らは、電話やTVの電波すら通じないという奇妙な状況や小屋の中に置かれた動物の死体に不気味なものを感じつつも、夜が明けて救助が訪れるのを待つ事とするが…



 先日感想を書いた「リーカー ザ・ライジング」と同じシリーズの、砂漠の無人のモーテルで起こる怪現象と謎の殺人鬼の秘密を描いた、オカルトサスペンス映画。

 「リーカー ザ・ライジング」と同じシリーズに当たり「~~ライジング」が『殺人鬼の誕生の秘密を描いたお話』という設定で、話の時系列的には「~~ライジング」の方が過去の話という事になっているようですが、実際のお話の順番的にはこちらが1本目のタイトルとなるようです。

 いや、確かに両方の作品を続けて観てみれば「~~ライジング」の方が『後付設定』なんだなぁ…ってのが良くわかる作りですね。

 実際に「~~ライジング」とこちらを見比べてみたところ、全ての部分に置いてこちらの作品の方が面白いです。
 だからこそ続編として「~~ライジング」が作られたんでしょうが、ぶっちゃけ『余計な後付設定』としか思えない内容なので、「~~ライジング」を作る必要は無かったんじゃないかなぁ?

 お話としては『正体不明の殺人鬼に狙われる主人公たち』といった感じの内容で、スラッシャーホラーっぽい設定にはなっているんですが、内容的にはどちらかというとオカルトサスペンス的な要素が強めの作品ですね。

 ストーリーが進む度に、主人公たちが置かれた『異様な状況』が明らかになっていき謎が深まっていくという作りは、なかなか面白いです。

 私は先に「~~ライジング」を観ていたのでオチが全て読めてしまっていたのですが、先にこちらを見ていたらラストのちょっとした『どんでん返し的なオチ』も素直に楽しめていた筈。

 お話の引っ張り方が上手くて『サスペンス的な盛り上げ方』がなかなか良く出来ており、キャラも良く立っているために『ドラマ的な要素』も割と面白いですし、雰囲気も良くて全体的に完成度のそこそこ高い作品なのですが…

 難点を挙げるとしたら『殺人鬼が登場するのが割と終盤になってから』なので、序盤~中盤にかけての展開がやや冗長さを感じる部分がある事かな?

 殺人鬼を『ミステリアスな存在』として描くために『あまり大っぴらに登場させない』という手法を取ったのでしょうが、それならそれで『姿を見せないままで殺害するシーン』とかをもう少し多めに描いて盛り上がるシーンを入れてくれれば良かったと思うのですが…


 しかし、そういう意味で考えると「~~ライジング」で『殺人鬼の出生の秘密』を描いたのは明らかに蛇足ですし、本作では「~~ライジング」を観た際に感じていた不満な部分が概ね解消されている感じなので、ぶっちゃけ『こっちだけ観とけば良いんじゃない?』と感じたのは自分だけですかね?
 (というか、後付けの『殺人鬼の亡霊』みたいな設定は要らないよね?)

 まあ、私が『観る順番を間違えてしまった』のも問題なんでしょうが、だったら紛らわしいから2本の作品を同時発売すんなよと…


 総評としましては、『小粒ながらも意外に良く出来たオカルトサスペンス映画』だと思います。

 オカルトサスペンスとかが好きな人ならば割と普通に楽しめる作品だと思いますので、そういうジャンルが好きであればチェックしておいて損は無いタイトルだと思いますよ。
 まあ基本的に小粒なタイトルなので、過剰な期待をせずに鑑賞すればそれなりに楽しめる一本だと言えるでしょう。

 とりあえず観ようとする人は、私のように『間違えて「~~ライジング」を先に借りてしまわないように要注意』ですな。