NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クレイジーズ」(60点/パニック)

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■■■「クレイジーズ」■■■
(60点/パニック)

 アメリカ南部のオグデンマーシュという小さな町で、変わり者の老人が『スタジアムにショットガンを持って闖入し射殺される』という事件が発生する。

 犯人を射殺した保安官のデヴィッドは、もともと酒癖の悪かった老人が酔っていたせいでは無いかと考えるが、遺体からはアルコールは検出されず、更には『何でもない善良な町の住人が唐突に他人を殺害する』という怪事件が立て続けに発生。

 町の水源地である沼地に1週間前に『正体不明の飛行機が墜落していた』事を知った彼は、この飛行機が何か『危険な積荷』を積んでいたのではないかと疑いを抱き、町の上水道を停止させようとする。

 しかし、唐突に現れた軍隊によって彼らを含む町の住人は町ごと隔離されてしまい、やがて町は謎のウィルスによって『狂気に囚われた人々』があふれかえるようになっていく…



 謎のウィルスによって『狂気に囚われた人々』や『秘密を隠蔽しようとする軍隊』に支配された町からの脱出劇を描いた、感染型パニックもののサバイバルホラー映画。

 『ウィルスによって凶暴化した人間』や『軍隊』からの逃亡を図るというと、本気で『どこかで聞いたような設定』ですが、ぶっちゃけて言ってしまうならアメリカ版「28日後....」みたいなお話ですな。

 映画の内容は、なんと言いますか極めて『普通レベル』の『ごく普通のサバイバルホラー映画』って感じです。

 B級ホラー映画としては映像や演出のレベルはなかなか高めで、テンポも良くて退屈しない作りなのは良い感じ。

 ただストーリー展開がちょっと強引で、特に序盤の『主人公が水源地に疑いを抱く』までの論拠があまりにも弱くて違和感を感じたので、その辺はもう少し動機に『裏づけ』があっても良かったかも?

 中盤の軍隊が乗り込んでくる辺りから話が一気に盛り上がってくるのですが、あくまで主人公たちの視点がお話の中心で『トラブルをやり過ごそうとする』のがメインの『サスペンス』的な要素に重きを置いた作りなので、ちょっと地味で盛り上がりに欠ける内容なのは惜しい。
 (しかもそのサスペンス要素が、妙に主人公の『私怨』が絡んでたりするので、ますます規模が小さく感じるし…)

 もう少し、ゾンビもののお約束的な『大規模なパニックシーン』がもっとシッカリと描かれてればもっと盛り上がったと思うのですが、小ぢんまりとした展開が多くてスケール感に欠けるのは残念なところです。

 あと、もう少し『相手が実は感染しているのではないか?』という疑いを描くようなサスペンス要素とかはあっても良かったかなぁ?

 狂気に囚われた『ゾンビ狩り』をする住人のネタもほんの味付け程度ですし、ちょっと『お約束的な部分』がアッサリと描かれすぎていてもの足りなさを感じるのが惜しいです。

 シーン毎の盛り上げ方やアクションは上手いですし、割とセンスの良い部分が多いのですが、本作ならではの『個性』という部分でのインパクトが弱く、その辺がもうちょっとなんとかなってればなぁ…と感じる作品でした。


 総評としましては、いわゆる『感染タイプのサバイバルホラー映画』としては割と良く出来た及第点レベルの作品だと思います。

 ただ、本作ならではの『突き抜けた部分』が乏しくて、いま一つ印象に残らない作品ってのも正直なところかなぁ…

 まあ、玉石混交といいつつ『石』の比率が死ぬほど高いこのジャンルの作品としては、なかなか完成度の高い作品ではありますので、この手の作品が好きであればチェックしておいても損は無いタイトルだと言えるでしょう。

 個人的に予告とか前評判から『もっと派手な内容の作品』を期待してたので、やや肩透かしを食らったような感じでしたよ…