NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハイブリッド」(65点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「ハイブリッド」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)

 ある日、シカゴの街の交差点で2台の乗用車が衝突事故を起こすという事故が発生。
 しかし奇妙な事に、事故車の片方である真っ黒いセダンには運転手が乗っておらずに走っていた事が判明する。

 大破した車は街の車両整備倉庫へと運ばれるが、整備工場に勤めるティルダが事故したはずなのに傷一つ無く『生物のような不思議な感覚』を受けるその車を仲間たちと一緒に詳しく調査しようとしたところ、車は唐突に『触手のようなもの』を伸ばして彼らを襲撃する。

 その車は『車に擬態して人間を捕食する』という、正体不明の恐るべき捕食生物だったのだ…



 街の整備工場に現れた『車に擬態する謎の捕食生物』と整備工場に閉じ込められた整備員たちの戦いを描いた、モンスターパニック映画。

 最近はエコが流行っている事もあっていわゆるハイブリッドカーに人気がありますが、本作はハイブリッドはハイブリッドでも『正体不明の謎の生物と車の雑種(ハイブリッド)』が登場するという、かなりトンデモ設定のホラー映画です。

 もう設定やらパッケージからしてツッコミどころ満載で、どれだけ贔屓(ひいき)目にみてもツマんなそうなタイトルなのですが…
 意外にもコイツが『なかなか良く出来た作品』で、普通に面白いモンスターパニック映画だったりするからB級映画ってのは油断なりません!!

 お話の流れとしては、街の整備倉庫に運び込まれた車が実は『謎の捕食生物』でした…というかなり無茶な設定から本編のストーリーに入っていくのですが、この際に『謎の捕食生物』の設定とか背景とかは一切不明でコレといった『説明的なシーン』も無いという、『細かい事は良いんだよ!!』って感じの「トレマーズ」的な割り切りっぷりは好感触。

 パターンとしては『整備工場に閉じ込められた整備員たちと捕食生物の対決』という、いわゆる『閉鎖環境型パニックホラー映画』な訳ですが…
 そもそも『車に擬態する捕食生物』が相手なら、逃げるだけなら『車が入り込めないような狭い通路』とかに隠れてれば良いだろ?…って話なのですが、ストーリーの序盤で金に目がくらんだ整備員たちが『謎の捕食生物』を捕獲しようとして、そうこうするうちに命がけのバトルへと展開していくって流れなので、ストーリー的にあまり不自然さを感じさせない作りなのはなかなか上手いです。

 『無駄な前振り』が殆ど無いためにお話の展開も非常にスピーディですし、この『謎の捕食生物(要は変幻自在に姿を変える車)』が、狭い駐車場内の通路を延々とドリフトしながら追いかけてきたり、片車を壁に乗り上げたまま壁走りで犠牲者を追い詰めたりと、意外と芸達者で要所要所に見せ場が用意されてて退屈させない作りなのも良い感じですね。

 『怪物とのラストバトル』の盛り上がりもなかなか熱くて良かったですし、怪物の退治の方法も割と説得力のある展開で、キチッと『モンスター映画のツボ』と呼べる部分を押さえてるなぁ…と普通に感心させられましたよ。

 ただ『謎の捕食生物』の『変幻自在に姿を変える』という設定を活かしているシーンがあまり無かったので、その辺を活かした展開があればもっと良かったかも?
 (例えば『モンスタートラックみたいなのに変形して、駐車中の車を踏み潰しながら追いかける』とかってノリはあっても良かったかも?)

 あとこのB級モンスター映画のノリで、ラストシーンはあんな『微妙に暗い感じの展開』にする必要は無かったんじゃないかなぁ?
 まあ些細な部分なので、どうでも良いっちゃぁどうでも良い部分なんですが…


 総評としましては、明らかにパッケージで損していると思われる『意外にも良くできた佳作レベルのB級モンスター映画』って感じの作品です。

 パッケージや設定からあからさまな『地雷臭』が漂ってたので自爆覚悟で借りてみたのですが、完全に良い意味で予想を裏切られましたよ。

 個人的には、なかなかの『掘り出し物』的な映画だと感じましたので、小粒ながらも『良い感じのB級モンスター映画』を求めている人であれば普通にオススメ出来る一本だと思いますよ。