NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シャッター ラビリンス」(70点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「シャッター ラビリンス」■■■
(70点/サスペンス:結構オススメ)

 水族館で働くシングルマザーのマリアは、ある日、休暇を取って
幼い息子のディエゴと共に『イエロ島』という小さな島にバカンスに出かける事となる。

 しかし彼女がうたた寝した隙にディエゴは船から姿を消してしまい、懸命な捜索にも関わらず息子は行方不明となってしまう。

 その事件から半年後、イエロ島の警察から『ディエゴと同じぐらいの年齢の子供の水死体が上がった』という連絡を受け死体の確認のために再び島を訪れるが、その死体は息子のものではなく別の子供のものだった。

 警察の要請で、念のために遺伝子検査を行うために島へと残る事になった彼女だったが、その翌日に海岸で自分の息子らしき子供を目撃し、何者かが息子を誘拐したのではないかと疑いを抱くようになり…



 離島への旅行の最中に幼い息子が行方不明になった母親が息子を探して奔走するという、スペイン製のサイコサスペンス映画。

 何かシャッターアイランド」にソックリなパッケージ&パクりっぽいタイトルですが、実際の中身の方は何の関係も無い作品ですね。
 というか、本作はこの『なんちゃってパクり邦題』を付けてるせいで、ある意味で非常にマイナスとなってしまっている気がするのですが、あんまり書くとアレなのでうにゃむにゃ…

 作風としましては、いわゆる『雰囲気映画』系のサスペンス映画ですね。

 ストーリー的には『半年前に行方不明になった息子を探す母親が、再び離島に訪れた際に息子らしき姿を発見を発見するんだけど、果たして息子は本当に何者かにさらわれてしまったのか…或いは彼女の病んだ心が見せる妄想なのか?』といった感じで、サイコサスペンス色の強い感じの内容。

 この『妄想なのか現実なのか?』ってところを疑わせるような雰囲気作りが非常に上手くて、作品全体が『キレイなんだけど怖さを感じさせるような幻想的な映像』や『何か不吉な事が起こりそうな雰囲気』を常に漂わせており、視聴者の不安感を煽ることでストーリー展開に『上手く疑問を抱かせること』に成功していると思います。

 ストーリー自体も『母親が息子を探して小さい島を奔走するだけ』なので派手な展開とかは殆ど無いのですが、お話の組み立てがなかなかに上手くて少しずつ手がかりを提示する事で真相をうっすらと描いて行くという構成や、関係ありそうなんだけど割とどうでも良い手がかりでミスリードする展開なんかの演出が良く出来ており、地味な内容ながらも退屈しない作りなのは好感触。

 ただ少し気になる部分を挙げるとしたら、伏線がかなりシッカリ張られている作品なので、終盤になると流石にちょっとラストの展開が読めてきちゃうんですよね…
 いや、ストーリー展開がツマんな訳では無くてむしろ面白いんですが、何というかコレが微妙に辛いんですよ。

 詳しくは書きませんが、コレは自分で作品を観ていただければ『何を言ってるか分かっていただけるんじゃないかと思います。


 総評としましては、小粒ながらもシッカリとまとまった『なかなかに良く出来たサスペンス映画』だと言えるでしょう。

 全体的に非常に雰囲気が良い映画なので、観てるだけで『なんとなく不安な気分になる』ような『雰囲気映画』系のサスペンスが好きな人であれば、良い感じで楽しむことの出来る作品ではないでしょうか?

 ハリウッド映画のような派手さや明快さは無いですがお話自体は非常に面白いですし、個人的には心にグッとくる部分もあった作品でしたので、予告とかを見て気になっているのであれば是非ともチェックしておくべきタイトルだと思いますよ。