NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スピーク」(45点/オカルト)

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■■■「スピーク」■■■
(45点/オカルト)

 売れない映画監督であるシェリーは人気獲得を狙って、弟や恋人たちを含めた5人のスタッフたちと一緒に過去に数々の惨殺事件のあった『幽霊ホテル』でドキュメンタリー映画を撮影する事となる。

 彼らは廃墟と化したホテルへと侵入し、ホテルの一室で『スピーク』と呼ばれる降霊術を行うが、その直後に何者かによってホテルに閉じ込められてしまった事に気づき、更には彼らを次々と奇妙な現象が襲い始めるのだった…



 心霊ドキュメンタリーを撮影するために『幽霊ホテル』へと侵入したスタッフたちを正体不明の心霊現象が襲うという、POV形式のオカルトホラー映画。

 最近、また流行りつつあるPOV(主観映像)形式のホラー映画ですが、本作は『心霊映像を撮るために『幽霊ホテル』へ侵入したスタッフの撮った映像』という設定なのですが、ホテルへと入る前のシーンから全編を通して『ワンカットの映像』で撮られているというのは、なかなか意欲的な作品ですね。

 映像が完全にリアルタイム形式のワンカット映像なので妙な臨場感がありますし、『ヤバい場所に侵入した連中がヤバい目に合わされる』という設定の分かり易さも良い感じ。

 またPOV形式の映画の割には、手ブレしすぎて訳が分からなくなるといったようなシーンがあまりなくて、シーンやカットの構成なんかは普通に上手いと感じました。
 最近の低予算のPOV形式映画のなかでは、なかなか丁寧に作られている印象ですね。

 …が、意欲的で丁寧だからといって『面白い映画』かと言われると、ぶっちゃけそんな事はなくて中身のほうは所詮は低予算映画という感じ。

 ストーリーとか演出とかがとにかくコテコテで、ビデオの映像に突然怪しい影が映ってみたり、仲間の一人が唐突に苦しみだしてブッ倒れたり、頭がおかしくなって他の人間を攻撃しようとしたり、やってる事は安物の『心霊ドキュメンタリービデオ』そのまんまといった感じの内容。

 まあ、それを『実際に撮影されたフィルム』とか言い張らずに完全にフィクションとして作っている事や、ある意味での『清々しいまでのワザとらしさ』は個人的に嫌いじゃないですが、本格的なオカルト映画のノリを期待してると肩透かしも良いところでしょうし、怪奇現象も臭すぎて『バカにしてるのか?』とツッコミたくなる人も居るかも?

 またコテコテ過ぎて先の展開が読めまくりなのもアレですし、途中まではリアリティを求めてるような作りなのに、ラストの今までの設定を無視したような物凄い投げっぱなしなオチは賛否両論ありそうかなぁ…


 総評としましては、低予算のPOV形式の映画としてはなかなか頑張っているとは思いますし個人的に『割と好きな感じの作品』ではあるのですが、基本的には『低予算の下らないオカルト映画』といった感じの一本ですね。

 その『下らなさ』をネタとして許容できるか否かが楽しめるかどうかのポイントだと思いますので、実録形式の『心霊ドキュメンタリービデオ』みたいな作品が好きであれば、割と楽しめる映画ではないかと。

 『ワンカットでの撮影の手法』や『無駄の無いお話の組み立て』等、POV形式の映画としては『観るべき要素』は割とある作品だと思いますので、そういうジャンルが好きであれば『過剰な期待をせずに観る』ぶんにはチェックしておいても良いレベルの作品では無いでしょうか。