（４０点／オカルト）
湖にキャンプに向かう途中で車で事故を起こしてしまったクリスらの５人の若者たちは、携帯電話も通じない広大なトウモロコシ畑の脇で立ち往生する事となってしまう。
トウモロコシ畑の真ん中に一軒の民家があるのを発見した彼らは、助けを求めるためにその家へと向かうが、先に助けを呼びに行っていた仲間の一人が何者かに殺されているのを発見。
更に、仲間の一人がカカシのような姿をした男の襲撃を受てさらわれてしまい…
トウモロコシ畑の真ん中の農場に取り残された若者たちがカカシのような怪人の襲撃を受けるという、オカルト風味のスラッシャーホラー映画。
トウモロコシ畑の中で若者たちが正体不明の怪人に襲われるという、いわゆるスラッシャー映画的な感じの作品ですが、どちらかというと『雰囲気映画』のノリに近い作品かな？
広大なトウモロコシ畑そのものが『密室』になるというシチュエーションはなかなか面白いですし、序盤の『何が起こるか分からない不気味な雰囲気』や『正体不明の殺人鬼』も良い感じ。
序盤の展開は割と良い感じなので期待して見てみたのですが、中盤以降がちょっといただけない。
ストーリーらしいストーリーが殆ど無いなんとも場当たり的な展開で、登場人物の一人が『過去の幻影』を観る事で謎が解けていくという展開なのですが、何故に彼にその『幻影』を見えるのかという事に関する設定や説明は一切無し。
殺人鬼の方も『設定』は分かるのですが動機はサッパリ分かりませんし、なんともご都合主義的な展開で説得力が無くてちょっと白けてしまいます。
お話のテンポ自体は悪くないので退屈するような事は無いのですが、お話の設定がやっつけすぎてメリハリに欠けるので、お話の後半がダラダラとした印象を受けてしまったのは辛いところですね。
殺人鬼の襲撃方法もあまり芸が無いですし、ビジュアル的なインパクトも強くないのでどうにも面白みに欠けましたよ。
ラストもありがちな『投げっぱなしオチ』でアッサリしすぎですし、序盤の雰囲気が悪くなかっただけに、なんとも物足りなさだけが残ってしまう作品でしたよ…
総評としましては、設定やらテイストやらは悪くないのですがホントにソレだけの『凡庸なスラッシャーホラー』ってのが正直な感想ですね。
まあ、絵的な不気味さやテンポの良さはあるので観れなくは無いレベルの作品ではありますが、『敢えて好んで観る程に面白い作品か？』と言われると微妙なところです。
気になっているのであれば特に鑑賞するのを止める事はしませんが、『テレビ映画とかで暇つぶしに観る程度なら悪くない』ってぐらいの映画だと思っておけば間違いないんじゃないかと…
