■■■「ブラッディ・スクール」■■■
(40点/スラッシャー)
プロム(卒業パーティ)の夜が迫り生徒たちが盛り上がりを見せるグリズリー高校で、3年生の冴えない少女のライリーは憧れのクラプトンをプロムに誘おうとするも、自分に自信を持てず落ち込んでいた。
しかしそんなある日の放課後の学校で、彼女は人気ホラー映画に登場する『シンデヘラ』に扮した何者かの襲撃を受ける。
命を狙われながらも何とか難を逃れた彼女だったが、朝に同級生のテイラーが何者かに殺害された事を知った事から、『シンデヘラ』の格好をした何者かこそが殺人鬼ではないかと考えその事を警察に告げるが、警察は彼女の証言を悪ふざけだと考えてマトモに取り合って貰えずに…
プロムの夜の迫る高校で映画の殺人鬼である『シンデヘラ』が現れて生徒たちを殺害するという、スラッシャーホラー風味の理不尽コメディ映画。
このパッケージやタイトルから、てっきり「スクリーム」みたいなサスペンス風味の学園スラッシャーホラー映画だと期待して借りてみたのですが…
冒頭から『スタイリッシュなミュージックPV』とか『インディーズのネット動画』みたいな変なノリの映像と演出が続くので『何じゃコリャ、変なホラーだな?』と思って観ていたのですが、何のことは無いマトモなホラーではなくホラー風味の理不尽系コメディ映画でした。
全体的に「スコット・ピルグリム」とかみたいなコミカルでスタイリッシュな感じの演出が特徴の作品で、お話の方も映像のノリと同じぐらいに理不尽な内容。
同級生に何の伏線も無く『ハエ男(ザ・フライ)』が居たり、授業で生徒たちが何故かタイムマシンを作ってたり、母親と人格交換してる娘が居たりととにかく訳の分からない展開の連発。
最初はマトモなホラー映画だと思って観てたので、中盤くらいまであまりの意味不明さに物凄く面食らいましたよ。
他にも要所でホラーやSFやB級映画のパロディが仕込まれてたりと、まあ小ネタ的にはそこそこ笑える部分もあるので『そういう映画だ』と割り切って観ればそこまで悪くは無い印象。
でもここまでハチャメチャな内容なら、タイトルも割り切って「最’狂’プロムナイト計画」とか、もっと『お馬鹿コメディ』だと分かりやすくしておいた方が良かったんじゃないかと…
またそんな映画なのでマトモなストーリーも無いのですが、中盤以降のグテグテっぷりがあまりに酷いせいで終盤の展開が本気で訳が分からなくなってたのはどうにかならなかったものかなぁ…
ベースとなる映画があるパロディ作品と違ってストーリー自体はオリジナルなんだから、もうちょっとストレートで分かりやすい展開にした方が良かった気がしますよ。
あとスタイリッシュな演出も最初のうちは見てて面白いんですが、中盤以降はかなりクドく感じられたので、もうちょっと変な演出の割合も少し減らしても良かったかも…
まあ、あれだけグテグテになっておきながら、ラストの『ちょっと良い話』的なキレイな落とし方はなかなか上手いと思いましたけどね。
総評としましては、ぶっちゃけると『訳が分からんけどノリだけは良い映画』ってのが正直な感想ですね。
『面白い部分』もあるんですが『意味不明で付いていけない部分』も多すぎる感じ…好きな人やハマる人は楽しめると思うのですが、コレを他人にオススメ出来るかと言われると何とも微妙な感じです。
映像センスの良さやスタイリッシュなノリのコメディとかが好きな人ならば『そこそこ楽しめる作品』だと思いますので、そういうタイプの作品が好きであれば、とりあえず見ておいても損は無い感じの一本では無いでしょうか?