NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フェイシズ」(65点/サスペンス)

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■■■「フェイシズ」■■■
(65点/サスペンス)

 ニューヨークに住む小学校教師のアンナは、仕事帰りの深夜の橋の上で一人の男が女性を殺害している現場を目撃する。

 犯人の襲われつつも何とか難を逃れたものの、数日ぶりに意識を取り戻した彼女は、自分が橋の上から転落した際に頭を打った影響から人の顔が判別できなくなる『相貌失認(失顔症)』という症状を発症して居る事を知る。

 犯人が巷を騒がせる『涙のジャック』という連続殺人鬼である事から目撃者として事件の捜査に協力する事となった彼女だが、犯人が事件を目撃した彼女へと迫っていると知ったアンナは、他人の顔が判別できないという不安と恐怖から精神的に追い詰められて行き…



 人の顔が判別できなくなる『相貌失認(失顔症)』という症状に陥った殺人事件の目撃者が犯人に命を狙われるという、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のサスペンススリラー映画。

 過去に盲人の主人公が殺人事件を目撃して犯人に狙われるという「暗くなるまで待って」という映画がありましたが、設定からするとその話を現代風に焼きなおしたような感じのお話ですね。
 (まあ、実際の中身の方はだいぶ違いますけど…)

 『顔が見えているのに相手を判別』できないという設定はなかなか斬新で面白く、自分の顔が鏡に映る度に別人の顔に見えたり、モブが似通った雰囲気の顔や服の人で固められてて見分けが付かなかったりといった、主人公と視聴者の不安を煽る(あおる)ような演出は良い感じ。

 ただ、その手の演出が行われているのは序盤が殆どで、中盤以降はそこまで印象的ではなく割と『普通な感じのサスペンス』のノリになっていってしまうのは残念なところ。

 また設定は奇抜だけど、お話自体は「メメント」とかみたいな飛び道具的な感じではなく、サスペンスとしてはとしては月並みな感じの内容。

 捻りもそこそこ効いてますし、謎解きなんかもそこまで無理なく良くまとまっているので悪くは無いのですが、お話が設定の奇抜さに負けてしまっている感じでストーリー自体はあまり印象に残らないのが残念なところです。

 良く言えば『ソツの無い作り』なのですが、悪く言えば『無難すぎて面白味に欠ける』といった感じなので、どうせここまで奇抜な設定ならストーリーの方ももうちょっとインパクトのある展開があっても良かったかも?

 また、全体的に無駄の無い構成でそこそこ良く出来ては居ると思うのですが、中盤が少しだけ冗長な印象を受けたのは惜しい部分かな?
 途中の離島に避難するシーンとか、無理に長い尺を取ってやるほどの内容でも無かったような気も…

 でもサスペンスとしてはそこまで印象に残る程の内容では無いものの、オチのキレイな落とし方とかはなかなか上手いと思いましたし、エンターテイメント作品としてはなかなか良くまとまった内容だと思いますよ。


 総評としましては、良くも悪くも『無難にそこそこ楽しめるレベルのサスペンススリラー映画』といった感じの作品です。

 設定の奇抜さの割にはお話はそこまでインパクトは感じられないですし『雰囲気映画』という程演出も尖がってないので、サンダンス映画祭とかの出展作品的なノリが好きな人からすると少し物足りなさを感じるかも?

 まあサスペンスとかが好きなら普通に楽しめる作品だと思いますので、この手の映画が好きで気になっているのであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。